*09:00JST 大底近づくトルコリラ【フィスコ・コラム】
トルコのエルドアン大統領による政敵排除で、通貨リラの値動きが転換点を迎えています。国際金融市場の信認を大きく損ない、一段の売り圧力が見込まれます。が、権力本位の長期政権が終焉に向かっているとすれば、遠からず大底が見えてくるかもしれません。
トルコ検察当局は3月19日、エルドアン氏と敵対関係にある最大野党・共和人民党(CHP)のイマモール・イスタンブール市長を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束しました。イマモール氏が次期大統領選候補に選出されるタイミングで、エルドアン氏による露骨な排除に金融市場が反応。株式や債券は大幅安、最安値更新中のリラは下げ足を速め1ドル=42リラまで落ち込みました。
エルドアン氏は2003年から首相、2014年から大統領を務め、2018年と2023年の大統領選でも当選しているので現在は実質3期目の超長期政権。国会が解散を認めれば「次」も狙える仕組みで、自身が望めば何度でも再選が可能です。イマモール氏は反エルドアンのシンボル的存在で2023年には「侮辱罪」で立候補を断念させられ、エルドアン氏はそのまま有利な状況で当選を決めた経緯があります。
トルコリラがほぼ一貫して下落トレンドを形成するようになったのは、2010年以降です。国内経済がリーマンショックからの回復に苦しむなか、エルドアン氏は協調関係にあった宗教指導者ギュレン師とも対立し人気が凋落。それに歩調を合わせるように、リラもほぼ一貫して下げ続けました。そのギュレン氏は昨年死去し、目下最大の政敵であるイマモール氏の排除に動いたのでしょう。
権力者が自身の後釜を狙う有力者を排除するのは歴史的に珍しいことではなく、ソ連時代のスターリンによる粛清やフィリピンのアキノ氏暗殺などが想起されます。エルドアン氏のイマモール氏排除もこれらと似たケースで、そうした強硬策に出なければ権力を維持できないという焦燥感の表れでもあります。
2024年3月の地方選でイマモール氏がイスタンブール市長に再選されたのはエルドアン氏にとっては大きな打撃でした。海外勢はそれをきっかけにエルドアン政権の安定性が揺らいでいるとみて資金流出が加速。エルドアン氏の不支持率は50%超にのぼり、メディアやSNSへの弾圧で自身への批判や抗議を封じ込める政権維持策はつぎはぎだらけ。有権者の不満に抗しきれなくなっているのが実情でしょう。
トルコ中銀の大規模介入でリラ大暴落はいったん回避されたものの、海外投資家の撤退が見込まれリラ売りは続いています。ただ、エルドアン氏は自ら退陣の時期を早めた可能性があり、市場もそれを織り込み始めるとみます。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 <ST>
トルコ検察当局は3月19日、エルドアン氏と敵対関係にある最大野党・共和人民党(CHP)のイマモール・イスタンブール市長を汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で拘束しました。イマモール氏が次期大統領選候補に選出されるタイミングで、エルドアン氏による露骨な排除に金融市場が反応。株式や債券は大幅安、最安値更新中のリラは下げ足を速め1ドル=42リラまで落ち込みました。
エルドアン氏は2003年から首相、2014年から大統領を務め、2018年と2023年の大統領選でも当選しているので現在は実質3期目の超長期政権。国会が解散を認めれば「次」も狙える仕組みで、自身が望めば何度でも再選が可能です。イマモール氏は反エルドアンのシンボル的存在で2023年には「侮辱罪」で立候補を断念させられ、エルドアン氏はそのまま有利な状況で当選を決めた経緯があります。
トルコリラがほぼ一貫して下落トレンドを形成するようになったのは、2010年以降です。国内経済がリーマンショックからの回復に苦しむなか、エルドアン氏は協調関係にあった宗教指導者ギュレン師とも対立し人気が凋落。それに歩調を合わせるように、リラもほぼ一貫して下げ続けました。そのギュレン氏は昨年死去し、目下最大の政敵であるイマモール氏の排除に動いたのでしょう。
権力者が自身の後釜を狙う有力者を排除するのは歴史的に珍しいことではなく、ソ連時代のスターリンによる粛清やフィリピンのアキノ氏暗殺などが想起されます。エルドアン氏のイマモール氏排除もこれらと似たケースで、そうした強硬策に出なければ権力を維持できないという焦燥感の表れでもあります。
2024年3月の地方選でイマモール氏がイスタンブール市長に再選されたのはエルドアン氏にとっては大きな打撃でした。海外勢はそれをきっかけにエルドアン政権の安定性が揺らいでいるとみて資金流出が加速。エルドアン氏の不支持率は50%超にのぼり、メディアやSNSへの弾圧で自身への批判や抗議を封じ込める政権維持策はつぎはぎだらけ。有権者の不満に抗しきれなくなっているのが実情でしょう。
トルコ中銀の大規模介入でリラ大暴落はいったん回避されたものの、海外投資家の撤退が見込まれリラ売りは続いています。ただ、エルドアン氏は自ら退陣の時期を早めた可能性があり、市場もそれを織り込み始めるとみます。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 <ST>
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