韓国スワップ外交の進展【フィスコ・コラム】
配信元:フィスコ
投稿:2025/11/09 09:00
*09:00JST 韓国スワップ外交の進展【フィスコ・コラム】
韓国の精力的な通貨スワップ協定が目立ちます。直近では中国との枠を更新し、東南アジアや中東の中央銀行とも協調体制を構築。関係国との経済協力を強化しつつ、危機対応を進めているもようです。米国政治をにらみ、新興国の通貨防衛の流れが見て取れます。
通貨スワップとは、為替市場が不安定になった際、中央銀行どうしが事前に合意した枠の範囲で、自国通貨と相手国通貨を一時的に交換し、外貨を確保できる仕組み。企業間の金融取引として使われる通貨スワップと異なり、国家間の協定では市場の混乱時に外貨流動性を確保し、金融システムへの不安を抑える役割を持ちます。混乱時には、いつでも外貨を調達できるとの安心感を市場に与えます。
国家間での通貨スワップは、世界で続くドル調達コストの上昇が背景にあります。米国の高金利が長引くほど、ドル建て債務の返済負担は重くなり、資本が新興国から流出しやすくなるためです。輸出比率が高い韓国では、企業の外貨調達やヘッジコストが上昇し、投資家心理も為替に敏感になりがち。平時のうちにスワップ枠を厚くしておけば、突発的なドル不足に直面しても、市場の連鎖不安を抑え込むことができます。
通貨スワップは金融政策というより、外交の一環になってきました。韓国は米国との協調を維持しつつ、中国やASEANも含め複数の通貨圏に接続する姿勢を明確にしています。これは選択肢を維持するための手段であり、貿易や安全保障が一体となった現在、どの国と通貨を融通できるかが、関係の深さと相互信頼の指標になります。どちらかといえば新興国でスワップを通じて経済連携を強める傾向があるようです。
2024年以降のウォン相場は下落基調ながら急変を免れており、こうした「信認の裏づけ」が資本流出を防いだ面は否めません。現在のドル・ウォン相場は米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ観測が遠のくなか、緩やかなドル高・ウォン安が継続。韓国の通貨スワップ外交はこの相場のトレンドを変えるものではないものの、急激なドル高・ウォン安を回避している可能性もあります。
韓国の通貨スワップ外交は為替安定の枠を超え、国際社会での信頼と発言力を高める手段になっています。ネットワークを広げることがリスクヘッジとなり、さらに通貨の信用を外交力に変えようとしているのです。ただし、この枠組みを維持するには、相手国の情勢や自国の政策運営に左右されない持続力が不可欠と言えるでしょう。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 <ST>
通貨スワップとは、為替市場が不安定になった際、中央銀行どうしが事前に合意した枠の範囲で、自国通貨と相手国通貨を一時的に交換し、外貨を確保できる仕組み。企業間の金融取引として使われる通貨スワップと異なり、国家間の協定では市場の混乱時に外貨流動性を確保し、金融システムへの不安を抑える役割を持ちます。混乱時には、いつでも外貨を調達できるとの安心感を市場に与えます。
国家間での通貨スワップは、世界で続くドル調達コストの上昇が背景にあります。米国の高金利が長引くほど、ドル建て債務の返済負担は重くなり、資本が新興国から流出しやすくなるためです。輸出比率が高い韓国では、企業の外貨調達やヘッジコストが上昇し、投資家心理も為替に敏感になりがち。平時のうちにスワップ枠を厚くしておけば、突発的なドル不足に直面しても、市場の連鎖不安を抑え込むことができます。
通貨スワップは金融政策というより、外交の一環になってきました。韓国は米国との協調を維持しつつ、中国やASEANも含め複数の通貨圏に接続する姿勢を明確にしています。これは選択肢を維持するための手段であり、貿易や安全保障が一体となった現在、どの国と通貨を融通できるかが、関係の深さと相互信頼の指標になります。どちらかといえば新興国でスワップを通じて経済連携を強める傾向があるようです。
2024年以降のウォン相場は下落基調ながら急変を免れており、こうした「信認の裏づけ」が資本流出を防いだ面は否めません。現在のドル・ウォン相場は米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ観測が遠のくなか、緩やかなドル高・ウォン安が継続。韓国の通貨スワップ外交はこの相場のトレンドを変えるものではないものの、急激なドル高・ウォン安を回避している可能性もあります。
韓国の通貨スワップ外交は為替安定の枠を超え、国際社会での信頼と発言力を高める手段になっています。ネットワークを広げることがリスクヘッジとなり、さらに通貨の信用を外交力に変えようとしているのです。ただし、この枠組みを維持するには、相手国の情勢や自国の政策運営に左右されない持続力が不可欠と言えるでしょう。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 <ST>
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