―2050年カーボンニュートラルのカギ、事業化に向けた取り組み続々―
地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を回収し、地中に埋める事業が全国で動き出している。政府は「2050年に カーボンニュートラルを実現する」との目標を掲げ、再生可能エネルギーを最大限導入する構えだが、これだけですべてを賄うのは容易ではない。データセンターや半導体工場の新増設などによって電力需要は更に拡大することが予想され、化石燃料の必要性が一定程度残ることから脱炭素に向けてはCO2分離回収技術がカギを握ることになりそうだ。
●石油資源は苫小牧で
INPEX <1605> [東証P]とK&Oエナジーグループ <1663> [東証P]傘下の関東天然瓦斯開発、日本製鉄 <5401> [東証P]はエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の公募事業「先進的CCS(CO2の分離回収・貯留)事業に係る設計作業等」に参画している。この事業は、日本製鉄東日本製鉄所君津地区及び京葉臨海工業地帯の複数産業を排出源とするCO2を回収し、パイプラインで輸送のうえ、千葉県外房沖の海域に貯留するもの。各社の技術力と知見を生かすとともに、業界を越えた連携を強化するとしている。
ENEOSホールディングス <5020> [東証P]子会社のENEOS Xplora、九州電力 <9508> [東証P]、カーボンフロンティア機構(JCOAL)の3者は11月27日、CO2鉱物化(CO2を岩石と水に反応させ、安定した鉱物として地下に固定・貯留する技術)の社会実装に向けた協力に関する覚書を締結した。CO2鉱物化は、長期的かつ安全にCO2を地中に埋めることができるため、新たなCCS技術のひとつとして注目を集めている。この技術が確立されることで、貯留先となる岩石の選択肢が増え、日本国内における貯留可能なCO2量の増加が期待できるという。
石油資源開発 <1662> [東証P]は12月15日、北海道苫小牧エリアでのCCS事業の一環として、特定区域におけるCO2貯留に適した地層の存在を確認することを目的とした試掘第1号井の開坑式を開いた。これは、出光興産 <5019> [東証P]の北海道製油所、北海道電力 <9509> [東証P]の苫東厚真発電所の排ガスからCO2を各社が分離回収し、石油資源が地中に圧入・貯留することを検討している事業。今月中にも試掘作業が開始される予定で、その結果などを踏まえて26年度内に最終的な投資判断が行われる見通しだ。
●ノリタケなどにも注目
これ以外にもCO2回収に向けた取り組みが相次いでおり、エア・ウォーター <4088> [東証P]は10日、自社開発した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」を釧路コールマイン(北海道釧路市)に納入したと発表。ReCO2 STATIONは、ボイラー燃焼などによる排ガスから高効率でCO2を分離回収することができ、20フィートコンテナサイズの小型設計で狭いスペースにも設置可能だとしている。
千代田化工建設 <6366> [東証S]は2日、石灰石を用いた大気直接CO2回収(DAC)技術を持つ米エアルーム・カーボン・テクノロジーズに出資すると発表。エアルームの低コスト・モジュール型DAC技術と、同社が培ってきたエンジニアリング力・プロジェクト遂行力を組み合わせることで、革新的DACソリューションの導入拡大とコスト低減を推進し、地球規模の気候変動対策につなげる構えだ。
東海カーボン <5301> [東証P]、タクマ <6013> [東証P]、スマートシティ企画(東京都千代田区)は1日、3社で実施する「炭素循環型社会の構築に向けた機能性固体炭素製造技術の開発・実証」が、環境省の25年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に採択されたことを明らかにした。この実証では一般廃棄物の処理に伴い排出されるCO2を分離回収して固体炭素を製造するとともに、カーボンニュートラルな導電性カーボン材として製品化する技術の開発に取り組むという。
ノリタケ <5331> [東証P]は11月26日、インドの科学産業研究機構国立学際的科学技術研究所(CSIR-NIIST)と共同で、工場排ガス向けCO2回収材を開発したことを明らかにした。この開発品は高温下において高濃度のCO2を回収するもので、CSIR-NIISTとともに実証試験を進めるとしている。
マツダ <7261> [東証P]は11月17日、独自のCO2回収装置「Mazda Mobile Carbon Capture(マツダ・モバイル・カーボン・キャプチャー)」の実証実験を開始したことを公表した。同月15~16日に開催されたスーパー耐久シリーズ第7戦ではレース車両に同装置を初搭載し、欧州で実用化されているカーボンニュートラル燃料「バイオディーゼル燃料(HVO)」を使用して走行。装置には多孔質構造を持つゼオライトをCO2吸着剤として採用し、排出ガス中のCO2を吸着できることを実証できたという。
また、CO2分離回収技術の化学吸収法で使用されるアミン用熱交換器を手掛ける日阪製作所 <6247> [東証P]、北海道大学と電気透析を応用した革新的なCO2分離回収技術を開発済みのジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> [東証P]、産業用中型CO2回収装置の商用化を目指す炭素回収技術研究機構(CRRA、東京都江東区)に出資している東海理化電機製作所 <6995> [東証P]、英国のごみ焼却発電プラントの排ガスからCO2回収を行う施設のEPC(設計、調達、建設)業務を受注した実績があるカナデビア <7004> [東証P]、京都大学発のスタートアップ企業であるAtomis(神戸市中央区)とCO2分離回収装置の開発に取り組んでいる長瀬産業 <8012> [東証P]、北海道三笠市と炭鉱採掘跡にCO2を固定するCCUSの技術開発などで連携協定を結んでいる応用地質 <9755> [東証P]なども関連銘柄として挙げられる。
株探ニュース
関連銘柄
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