*14:38JST 三菱マテリアル:逆風下でも底堅さ示す、資源循環を核に収益体質改善を進める
三菱マテリアル<5711>は、非鉄金属メーカー大手であり、銅・金・銀などの製錬・販売を行う金属事業を中核に、高機能製品、加工、再生可能エネルギー事業を展開する。国内有数の電気銅(電線・電子部品向けの高純度銅)生産能力を有し、近年は一次原料に依存しない資源循環(リサイクル)型ビジネスへの転換を中長期戦略の柱に据えている。事業構成は金属事業が売上高の約6割を占め、高機能製品、加工事業がこれに続く。
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高8,299億円(前年同期比16.1%減)、営業利益109億円(同60.3%減)と減収減益で着地した。主因は金属事業における買鉱条件(TC/RC)の悪化に加え、貴金属スライム(製錬過程で生じる貴金属含有残渣)の未入荷による生産減、為替および在庫評価影響だ。特にTC/RCについては、世界的な製錬能力増強を背景に構造的な低水準が続いており、同社に限らず業界全体の収益を圧迫する要因となっている。一方、為替は想定より円安で推移し、銅価格上昇による在庫評価影響も寄与したことで、会社想定と比較すれば底堅い着地となった。
セグメント別では、金属事業が為替の円高基調やTC/RC悪化、銅・貴金属地金の生産減などにより減収減益となった。一方で、高機能製品は銅加工事業において銅価格上昇の影響もあり堅調に推移した。電子材料事業では半導体関連製品の一部で需要回復の兆しが見られるものの、シール製品の販売減少が利益面の重しとなった。加工事業は、エイチ・シー・スタルク・ホールディングス社の連結子会社化により売上高は増加したが、為替差損や支払利息の増加の影響で利益は減少した。再生可能エネルギー事業では、地熱発電所の操業停止が業績に影響した。
通期では、2026年3月期の会社計画として売上高1兆5,900億円(前期比19.0%減)、営業利益150億円(同59.6%減)を見込む。売上高は前回予想から下方修正された一方、営業利益は上期実績に加え、為替の想定レート・銅価格の前提条件見直しを背景に上方修正されており、収益面では一定の下支えが確認できる。TC/RCの大幅な改善は見込みにくいものの、リサイクル原料の活用拡大により、マージン変動の影響を緩和する方針が示されている点は評価材料といえる。
中期経営計画(2026~2028年度)では、資源循環ビジネスを成長戦略の中核に位置付け、約1,500億円の成長投資を計画している。投資の約半分は精錬所新設などの設備投資に充てられ、欧州・米国でのリサイクル原料処理能力強化が進められる。欧州ではE-Scrap(廃電子基板)の処理能力を高め、米国では精錬所新設やリサイクラーへの出資を通じて循環型サプライチェーンの構築を目指す。日本では金属リサイクル処理の高度化を進めるとともに、電子材料分野では製品ポートフォリオの入れ替えを通じた収益性改善を図る方針だ。TC/RCの影響を受けにくい事業比率を高めることで、長期的な収益安定化を目指す姿勢が明確になっている。
株主還元については、2026年3月期の年間配当を100円とする予定で、配当性向30%を基本としつつ、今期は結果的に約60%水準となる見込みだ。今後は収益変動に左右されにくい安定配当を実現するため、DOE(株主資本配当率)の導入を検討しており、中長期的な還元方針の明確化が期待される。
総じて同社は、短期的にはTC/RCの悪化という構造的逆風を受けているものの、製錬・加工・リサイクルを一体で展開できる事業基盤と、資源循環型ビジネスへの戦略転換を着実に進めている点が特徴だ。中長期的には、市況変動耐性の高い収益構造への移行が進展するかが最大の評価ポイントであり、短期業績よりも構造改革の進捗を注視する局面といえよう。
<NH>
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高8,299億円(前年同期比16.1%減)、営業利益109億円(同60.3%減)と減収減益で着地した。主因は金属事業における買鉱条件(TC/RC)の悪化に加え、貴金属スライム(製錬過程で生じる貴金属含有残渣)の未入荷による生産減、為替および在庫評価影響だ。特にTC/RCについては、世界的な製錬能力増強を背景に構造的な低水準が続いており、同社に限らず業界全体の収益を圧迫する要因となっている。一方、為替は想定より円安で推移し、銅価格上昇による在庫評価影響も寄与したことで、会社想定と比較すれば底堅い着地となった。
セグメント別では、金属事業が為替の円高基調やTC/RC悪化、銅・貴金属地金の生産減などにより減収減益となった。一方で、高機能製品は銅加工事業において銅価格上昇の影響もあり堅調に推移した。電子材料事業では半導体関連製品の一部で需要回復の兆しが見られるものの、シール製品の販売減少が利益面の重しとなった。加工事業は、エイチ・シー・スタルク・ホールディングス社の連結子会社化により売上高は増加したが、為替差損や支払利息の増加の影響で利益は減少した。再生可能エネルギー事業では、地熱発電所の操業停止が業績に影響した。
通期では、2026年3月期の会社計画として売上高1兆5,900億円(前期比19.0%減)、営業利益150億円(同59.6%減)を見込む。売上高は前回予想から下方修正された一方、営業利益は上期実績に加え、為替の想定レート・銅価格の前提条件見直しを背景に上方修正されており、収益面では一定の下支えが確認できる。TC/RCの大幅な改善は見込みにくいものの、リサイクル原料の活用拡大により、マージン変動の影響を緩和する方針が示されている点は評価材料といえる。
中期経営計画(2026~2028年度)では、資源循環ビジネスを成長戦略の中核に位置付け、約1,500億円の成長投資を計画している。投資の約半分は精錬所新設などの設備投資に充てられ、欧州・米国でのリサイクル原料処理能力強化が進められる。欧州ではE-Scrap(廃電子基板)の処理能力を高め、米国では精錬所新設やリサイクラーへの出資を通じて循環型サプライチェーンの構築を目指す。日本では金属リサイクル処理の高度化を進めるとともに、電子材料分野では製品ポートフォリオの入れ替えを通じた収益性改善を図る方針だ。TC/RCの影響を受けにくい事業比率を高めることで、長期的な収益安定化を目指す姿勢が明確になっている。
株主還元については、2026年3月期の年間配当を100円とする予定で、配当性向30%を基本としつつ、今期は結果的に約60%水準となる見込みだ。今後は収益変動に左右されにくい安定配当を実現するため、DOE(株主資本配当率)の導入を検討しており、中長期的な還元方針の明確化が期待される。
総じて同社は、短期的にはTC/RCの悪化という構造的逆風を受けているものの、製錬・加工・リサイクルを一体で展開できる事業基盤と、資源循環型ビジネスへの戦略転換を着実に進めている点が特徴だ。中長期的には、市況変動耐性の高い収益構造への移行が進展するかが最大の評価ポイントであり、短期業績よりも構造改革の進捗を注視する局面といえよう。
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