*13:08JST CRGHD Research Memo(8):2026年9月期は増収増益見通し。常用型派遣と新規事業拡大で成長軌道へ2
■CRGホールディングス<7041>の今後の見通し
(4) オシエテ
通訳・翻訳サービスでは、既存のビジネス向けサービスが順調に拡大しており、引き続き新規顧客の獲得を目指している。同社は通訳・翻訳の品質に定評があり、大手顧客との取引実績も有していることから、高い正確性が求められるIR向けサービスや、海外進出を図る企業へのサポートを強化している。こうしたコアサービスを基盤としつつ、インバウンド需要の高まりを背景に、海外からの観光客を対象とした宿泊管理事業へと事業領域を拡張している点が特徴である。ビジネス通訳・翻訳を起点とした周辺新規サービスの創出をより一層強化することで、収益源の多様化と事業基盤の安定化を図る戦略であり、言語サービスの専門性を生かした成長モデルが形成されつつある。
また、宿泊管理サービス分野においては、インバウンド需要の高まりを受け、海外からの観光客を対象とした宿泊管理事業に参入している。物件の紹介から開業支援、運営管理支援までを一貫して提供する体制を整え、参入障壁の高い宿泊運営分野において付加価値の高いサービスを展開している。さらに、東急不動産ホールディングスの子会社であるReINNとの業務提携を通じて、サービス提供範囲の拡大と収益基盤の強化を図っている。この提携により競争力の向上と事業成長を目指すとともに、新規事業機会の創出や取り扱い物件の多様化、地域的な展開拡大を実現している。サービス提供エリアの拡大を企図するこれらの取り組みは、通訳・翻訳事業との相乗効果も含め、オシエテ全体の成長ポテンシャルを高める施策として位置付けられる。
人材派遣再編と新規事業育成により収益構造の転換を加速
3. 中期成長戦略
同社の中期成長戦略は、既存事業の収益安定化を図りながら、新規固定売上を着実に積み上げることで、中長期的に売上・利益が純増していく構造を確立する点に主眼を置いている。2024年9月期は最終損失を計上したものの、その要因は主力であったコールセンター向け人材派遣事業において、コロナ関連案件が剥落した影響が大きく、構造的な競争力低下によるものではない。実際、同事業は足元では下げ止まりの兆しを見せており、2025年9月期においては回復局面への移行を図るフェーズにあったと位置付けられる。
こうした環境認識のもと、同社は主力のコールセンター向け人材派遣事業への依存度を引き下げ、新たな収益の柱を育成するため、製造、アウトソーシング、障がい者サポート、IT・DXといった各種新規事業の運営体制を抜本的に再構築している。特に人材派遣分野では、従来グループ内で個別に運営されていた3社を統合し、ミライルとして再編したことで、経費削減や経営資源の効率化が進展した。これにより、人材派遣総合サービスとしての体制が強化され、外部環境変化に対する耐性も高まりつつある。
2025年9月期については、クレイリッシュが業績に大きく寄与したこともあり、最終損益が黒字転換した点が中期戦略上の重要な転換点である。コールセンター向け人材派遣が大手顧客依存型であったことは従来のウィークポイントであったが、製造業への参入や障がい者雇用支援サービス、さらにはインバウンド需要を背景とした宿泊管理事業といった新規事業が収益事業として成長しつつあり、事業ポートフォリオは着実に分散されている。
事業別にみると、コールセンター向け人材派遣はAIやボットの台頭、業務効率化の進展により、労働集約型モデルからの転換を迫られている。同社はこれに対し、登録型派遣ではなく常用型派遣を軸に、人材の質を担保することで差別化を図っている。加えて、コールセンター業務の従事者を製造業務へ配置転換する戦略や、製造派遣でノウハウを蓄積した上で請負化へと発展させる戦略を採っている。中長期的には、高スキル案件へのシフトを進め、IT人材についても常用型での確保を強化しており、未経験人材を育成する「みらパス」の取り組みもその一環である。これは、IT業界未経験の常用型派遣社員に対して、コールセンター業務に従事しながら、ITエンジニアとしてスキルを身に付けられる教育を実施する取り組みである。
製造分野では、東金工場が2024年9月に竣工し、2025年9月期から製造業としての本格稼働を開始した。当初は製造量の立ち上がりの遅れや、品質管理工程の増加により損益面での負担が生じたものの、足元では損益分岐点を超えており、2026年9月期以降は業績寄与が本格化すると見込まれている。品質を担保しながら生産性を高めることで、成長ドライバーとする考えである。
障がい者支援サービスについては、法定雇用率の段階的引き上げを背景に、構造的な需要拡大が見込まれる分野である。同社はサテライトオフィス事業を軸に、障がい者雇用に課題を抱える企業を継続的に取り込む方針であり、中期的な安定収益源としての位置付けを強めている。通訳・翻訳や宿泊管理といった新規事業も、インバウンド需要の拡大を追い風に着実に立ち上がっており、特に宿泊管理事業では業務提携を通じた案件獲得が進展している。
同社の中期成長戦略は、主力である人材派遣事業の構造転換を進めつつ、新規事業を複数育成することで収益基盤を多層化し、持続的成長軌道を描く点に特徴がある。短期的な業績回復にとどまらず、中長期的な事業ポートフォリオの再構築が着実に進んでいる点は、高く評価できるポイントであると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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(4) オシエテ
通訳・翻訳サービスでは、既存のビジネス向けサービスが順調に拡大しており、引き続き新規顧客の獲得を目指している。同社は通訳・翻訳の品質に定評があり、大手顧客との取引実績も有していることから、高い正確性が求められるIR向けサービスや、海外進出を図る企業へのサポートを強化している。こうしたコアサービスを基盤としつつ、インバウンド需要の高まりを背景に、海外からの観光客を対象とした宿泊管理事業へと事業領域を拡張している点が特徴である。ビジネス通訳・翻訳を起点とした周辺新規サービスの創出をより一層強化することで、収益源の多様化と事業基盤の安定化を図る戦略であり、言語サービスの専門性を生かした成長モデルが形成されつつある。
また、宿泊管理サービス分野においては、インバウンド需要の高まりを受け、海外からの観光客を対象とした宿泊管理事業に参入している。物件の紹介から開業支援、運営管理支援までを一貫して提供する体制を整え、参入障壁の高い宿泊運営分野において付加価値の高いサービスを展開している。さらに、東急不動産ホールディングスの子会社であるReINNとの業務提携を通じて、サービス提供範囲の拡大と収益基盤の強化を図っている。この提携により競争力の向上と事業成長を目指すとともに、新規事業機会の創出や取り扱い物件の多様化、地域的な展開拡大を実現している。サービス提供エリアの拡大を企図するこれらの取り組みは、通訳・翻訳事業との相乗効果も含め、オシエテ全体の成長ポテンシャルを高める施策として位置付けられる。
人材派遣再編と新規事業育成により収益構造の転換を加速
3. 中期成長戦略
同社の中期成長戦略は、既存事業の収益安定化を図りながら、新規固定売上を着実に積み上げることで、中長期的に売上・利益が純増していく構造を確立する点に主眼を置いている。2024年9月期は最終損失を計上したものの、その要因は主力であったコールセンター向け人材派遣事業において、コロナ関連案件が剥落した影響が大きく、構造的な競争力低下によるものではない。実際、同事業は足元では下げ止まりの兆しを見せており、2025年9月期においては回復局面への移行を図るフェーズにあったと位置付けられる。
こうした環境認識のもと、同社は主力のコールセンター向け人材派遣事業への依存度を引き下げ、新たな収益の柱を育成するため、製造、アウトソーシング、障がい者サポート、IT・DXといった各種新規事業の運営体制を抜本的に再構築している。特に人材派遣分野では、従来グループ内で個別に運営されていた3社を統合し、ミライルとして再編したことで、経費削減や経営資源の効率化が進展した。これにより、人材派遣総合サービスとしての体制が強化され、外部環境変化に対する耐性も高まりつつある。
2025年9月期については、クレイリッシュが業績に大きく寄与したこともあり、最終損益が黒字転換した点が中期戦略上の重要な転換点である。コールセンター向け人材派遣が大手顧客依存型であったことは従来のウィークポイントであったが、製造業への参入や障がい者雇用支援サービス、さらにはインバウンド需要を背景とした宿泊管理事業といった新規事業が収益事業として成長しつつあり、事業ポートフォリオは着実に分散されている。
事業別にみると、コールセンター向け人材派遣はAIやボットの台頭、業務効率化の進展により、労働集約型モデルからの転換を迫られている。同社はこれに対し、登録型派遣ではなく常用型派遣を軸に、人材の質を担保することで差別化を図っている。加えて、コールセンター業務の従事者を製造業務へ配置転換する戦略や、製造派遣でノウハウを蓄積した上で請負化へと発展させる戦略を採っている。中長期的には、高スキル案件へのシフトを進め、IT人材についても常用型での確保を強化しており、未経験人材を育成する「みらパス」の取り組みもその一環である。これは、IT業界未経験の常用型派遣社員に対して、コールセンター業務に従事しながら、ITエンジニアとしてスキルを身に付けられる教育を実施する取り組みである。
製造分野では、東金工場が2024年9月に竣工し、2025年9月期から製造業としての本格稼働を開始した。当初は製造量の立ち上がりの遅れや、品質管理工程の増加により損益面での負担が生じたものの、足元では損益分岐点を超えており、2026年9月期以降は業績寄与が本格化すると見込まれている。品質を担保しながら生産性を高めることで、成長ドライバーとする考えである。
障がい者支援サービスについては、法定雇用率の段階的引き上げを背景に、構造的な需要拡大が見込まれる分野である。同社はサテライトオフィス事業を軸に、障がい者雇用に課題を抱える企業を継続的に取り込む方針であり、中期的な安定収益源としての位置付けを強めている。通訳・翻訳や宿泊管理といった新規事業も、インバウンド需要の拡大を追い風に着実に立ち上がっており、特に宿泊管理事業では業務提携を通じた案件獲得が進展している。
同社の中期成長戦略は、主力である人材派遣事業の構造転換を進めつつ、新規事業を複数育成することで収益基盤を多層化し、持続的成長軌道を描く点に特徴がある。短期的な業績回復にとどまらず、中長期的な事業ポートフォリオの再構築が着実に進んでいる点は、高く評価できるポイントであると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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