イトーキ、3期連続で過去最高益を更新し2026年度も増益計画 年間配当予想は15円増配の90円を見込む
目次

前田悠希氏:本日はお忙しい中、株式会社イトーキ2025年12月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。コーポレートコミュニケーション本部IR・SR部 IR課の前田です。よろしくお願いします。
本日の流れはスライドのとおりです。
サマリー

はじめに、サマリーをご説明します。2025年12月期の通期実績について、売上高はリニューアル案件を中心に好調に推移しました。営業利益は増収効果および提供価値の向上による利益率改善により増益となりました。その結果、売上高は4期連続の増収、4期連続で過去最高を更新し、営業利益は6期連続の増益、3期連続で過去最高益を更新しました。
2026年12月期の業績予想については、中期経営計画の最終年度として、売上高を前期比9.0パーセント増の1,675億円、営業利益を前期比16.9パーセント増の160億円と見込んでいます。
中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」については、持続的な成長力を高めることをテーマに掲げ、1年前倒しで売上高目標を達成しました。最終年度である2026年12月期の経営数値として、売上高1,675億円、営業利益160億円、営業利益率9.6パーセント、ROE18.5パーセント、配当性向40パーセントを目指します。
通期業績ハイライト

田中有美氏:本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。常務執行役員経営企画本部長の田中です。2025年12月期の決算についてご説明します。
好調なマーケットを背景に、空間設計・コンサルティング・デザインを起点とした付加価値の高いオフィス空間の提案を引き続き推進した結果、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてで過去最高を更新することができました。
売上高は4期連続の増収、営業利益は6期連続の増益です。営業利益は中期経営計画で掲げた目標の140億円に迫る136億円を、1年を残して達成しました。ROEも中期経営計画の目標である15パーセントを上回る17.7パーセントと、大きく上昇しています。
連結財務諸表サマリー

連結財務諸表のサマリーです。スライド左側の損益計算書については、売上高が1,536億円で前期比11.0パーセントの増収、営業利益が136億円で前期比35.8パーセントの増益となっています。
スライド右側のバランスシートについては、資産が前期末比で102億円増加しました。増収の影響により売掛金が増加しています。負債は前期末比27億円増加しましたが、特に大きな変動はありません。
借入金については、短期借入金から長期借入金へシフトしています。2025年12月期には社債の新規発行を行い、12月に5年債50億円を利率1.791パーセントで発行しました。株主資本は増益により増加しています。
スライド右下のキャッシュ・フローについては、2024年12月期は支払手形の廃止や支払サイトの短縮による一過性の影響で、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスでした。これに対して2025年12月期は増収増益を背景に89億円となり、前期比で99億円の改善となりました。フリーキャッシュ・フローは51億円のプラスとなっています。借入金の返済により、財務活動によるキャッシュ・フローは59億円のキャッシュアウトとなっています。
営業利益の増減要因(前期からの分析)

営業利益の増減分析についてです。前期比では、売上高の増加による増益が63億円、売上総利益率の改善による増益が33億円となっています。
一方で、販管費は人件費やIT投資など戦略的な支出の増加により60億円増加しています。特に基幹システムが6月に稼働したことで、減価償却費やライセンス費用などが増加したことが要因です。また、期初の業績予想から好調に推移したことを受け、業績連動型賞与を増額しました。これらの結果、営業利益は136億円となりました。
セグメント別業績

セグメント別の業績です。ワークプレイス事業は前期比9.1パーセントの増収、前期比36.7パーセントの増益となりました。また、営業利益率は9.9パーセントと前期から2.0ポイント上昇しています。設備機器・パブリック事業は、研究施設向け設備を扱うダルトンの好業績が寄与し、増収増益となりました。
株主還元(2025年12月期配当、2026年12月期配当予想)

株主還元と配当についてです。2025年12月期は、年初予想の65円から10円増配し、1株当たり75円の配当としました。2026年12月期は2025年12月期からさらに15円増配し、90円の配当を予想しています。配当性向については、中期経営計画で示した40パーセントを目標とする方針に変更はありません。
業績動向や将来の投資機会、キャッシュ創出力を考慮しながら、機動的に株主還元を実施していく方針です。
中期経営計画 キャッシュアロケーションの進捗

ここからは、中期経営計画でお示しした投資計画の進捗と、それを支える財務的な取り組みについてご説明します。スライドは、中期経営計画のキャッシュアロケーションの進捗状況を示しています。計画している戦略的経費を含む700億円の投資に対し、2025年12月期までに72パーセントの進捗率となっています。
研究開発(R&D)や戦略的投資、人的資本投資は進捗率が5割を超えて計画的に推移しており、生産設備については5割弱の進捗ではあるものの、計画達成に向けて引き続き投資を推進する予定です。
株主還元については、業績好調による増配を背景に計画を上回る進捗を見せています。配当性向40パーセントという目標に変更はなく、2026年12月期も業績が好調であれば、株主還元総額は計画をさらに上回ると想定しています。
キャッシュ創出力・資産効率化の向上

財務面での取り組みについてです。成長戦略と株主還元を支えるため、キャッシュ創出力と資産効率化の向上に向けた取り組みを進めています。具体的には、3つの点に重点的に取り組んでいます。
1つ目は「Free Cash Flowの向上」に関連する取り組みとして、収益性のさらなる改善、運転資金の強化による営業キャッシュ・フローの増強、保有資産の最適化を推進しています。具体的には、資産効率化の一環として関西物流センターを12月に売却しました。
2つ目は「グループ経営の推進」として、グループ内の資産を有効活用することで資産効率化を図っています。CMS(Cash Management System)の導入も計画しており、グループ内の余剰資金削減を通じて財務コストの最適化を目指します。また、ガバナンスについても強化を進めています。
3つ目は「投資効率の向上」として、製造体制の最適化・効率化に向けた投資を推進しています。将来の成長を見据えた投資も積極的に行う方針で、事業基盤強化のためのM&Aも視野に入れています。投資においてはリターンを重視しており、WACCを採用しています。投資の回収時期も考慮に入れ、早期回収を目指した投資判断を進める計画です。
ハイライト

湊宏司氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社⻑の湊です。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
私からは2026年12月期、さらにその先を見据えたお話をします。2025年12月期の売上高と営業利益は、中期経営計画で掲げていた売上高1,500億円と営業利益140億円を1年前倒しでほぼ達成するという、すばらしい成果を収めることができました。みなさまのご支援に心より感謝します。
スコアの向上に力を入れている従業員エンゲージメント調査(ES)の結果も2025年12月期は81.9パーセントでした。従業員1,000人以上の企業で80パーセントを超えるケースは非常に少ないと考えています。真に当社で働くことに誇りを持ち、「イエス」と捉えてくれる社員が、こうした優れた業績を達成してくれたのだと考えています。
中期経営計画 重点戦略の進捗状況

中期経営計画において、「7Flags」として7つの重点戦略を設定しました。ほとんどの施策が順調に進んでいますが、特に注目すべき点として「7Flags 04 高収益化」のERPが挙げられます。
通常はメインフレームからオンプレミスを経てクラウドに移行する流れが一般的ですが、オンプレミスを飛ばしていきなりSaaSに移行させる計画を3年で実現しました。現在、当社は完全に「AI-Ready」状態になっていることを誇らしく思っています。
「7Flags 05 グループシナジー」の項目では、グループ外キャッシュアウトの30億円削減を目標に掲げています。これまでグループとしての概念がなかったところから、グループガバナンスを効かせる取り組みを行った結果、2025年12月期は2023年12月期比で30億円の削減を達成できました。2026年12月期は2023年12月期比で50億円を達成するべく取り組んでいます。
唯一、遅れがみられるのは「7Flags 02 Office3.0領域」です。データドリブンなビジネスとして新しく取り組んでいる部分です。マネタイズの点で遅れが出ていますが、受注件数については想定を上回る増加を見せています。
遅れの要因としては、完全に新しいマーケットを独自に構築しようとしているため、どうしても時間がかかることが挙げられます。受注自体は進んでいますが、顧客側が様子見の段階にあるため、1件当たりの単価が低くなっています。これを引き締め、今年はさらに努力して取り組んでいく必要があると考えています。
なお、IPに関しては、この領域だけで特許の出願件数がすでに50件を超えています。
2026年12月期 業績予想

2026年12月期業績予想について、売上高は1,675億円、営業利益は160億円と見込んでいます。
営業利益の増減要因(業績予想)

営業利益160億円を達成するためのブリッジについてご説明します。スライドのとおり、2025年12月期の136億円から、売上を大きく伸ばしていくことで160億円を目指します。
2026年度 保有商談の状況

スライドは、売上高1,675億円達成に向けた商談状況です。スライド左側には、2025年2月時点での商談状況を記載しています。これは、1年前の2024年2月時点の商談状況を100として2025年2月の見込みを示したグラフで、左側の薄いグレー色は保有商談見込みの前期比で、上期114パーセント、下期109パーセント、通期112パーセントとなっています。一方、濃いグレー色は実績です。例えば上期の商談は前期比14パーセント増となる見込みでしたが、実際には前期比18パーセント増で着地しました。
そのような中で、2026年12月期の売上高目標1,675億円は前期比9.0%増のため、2025年12月期通期の保有商談実績117パーセントと比較すると達成の可能性は高いと考えています。
オフィス事業のトレンド

オフィス事業のトレンドについてご説明します。当社業績はオフィス事業が牽引している状況です。3月で社長就任4年目が終わろうとしていますが、1年目の社長時代と現在では、モメンタムがまったく違うと強く実感しています。
社数の増加はもちろんですが、大企業の社長が当社のオフィスを見学にいらっしゃることもあります。また、個人的に少しうれしいのは、以前まではメディアで「イトーキ」と紹介される際に「オフィス家具大手のイトーキ」という枕言葉が付いていましたが、2025年後半頃から「オフィス設計を手がけるイトーキ」と記載するメディアが出始めたことです。
このような変化も含め、さまざまなモメンタムの変化が追い風となっていると感じています。
具体的には、第1の波・第2の波・第3の波で注目されていると感じています。第1の波としては、コロナ禍で在宅勤務が定着し、社員は在宅を希望する一方、経営者は出社を促したいという状況がありました。そのため、「行きたくなるオフィス」を整備しなければ社員が戻ってこないという課題が生じ、オフィス作りが経営者の重点課題となったというものです。この第1の波は現在も続いていると考えています。
第2の波は、2020年の「伊藤レポート」を契機とした人的資本投資へとつながるオフィス投資の流れです。「オフィスはコストではなく投資」という考えを背景に、モチベーションの向上や生産性の向上、さらには優秀な人材の確保を目指す動きが活発化し、それが人的資本投資として注目されている状況です。特に採用面で効果があるため、採用に苦戦している地方都市からの引き合いが大幅に増加していることが特徴です。
第3の波は2025年の後半頃から始まったと感じています。これは工場での働き方に関連していますが、オフィスでの働き方と工場での働き方はまったく異なるものです。
オフィスでの働き方は、「せっかく会社に来たんだからコミュニケーション、コラボレーションしましょう」「フリーアドレスだから、共有スペースで組織の壁を越えてディスカッションしましょう」といったイノベーションを生み出す場という考えが特徴です。
一方、例えば、工場は、塗装班などのグループごとに作業を行うため、フリーアドレスよりもグループアドレスのほうが求められる傾向にあります。
このような働き方の違いがあり、工場見学者が非常に多い状態です。そのため、現在は工場での働き方を強く打ち出しています。これは第1の波や第2の波から派生した要素でもありますが、「第1の波で本社は綺麗にしたけど工場はそのままです。オフィス勤務者と工場勤務者のES結果には大きな差があるので、工場にも投資をしたい」といったご要望になります。
地方には工場が多く点在していますが、これらの工場は中心地から離れた場所にあることが多いため、人材が集まりにくい状況です。そのようなことから、第3の波が大きくきている状況です。
さまざまなデータを見ると、この3つの波が重なり合い、うねりのような現象が起きています。実際に多くのご相談をいただけるようになっており、それを肌で感じています。
オフィス事業のトレンド

スライドは、オフィス事業のトレンドについてグラフでお示ししています。
東京都・東京都以外の案件の割合については、東京都の案件が42パーセント、東京都以外の案件が58パーセントを占めています。また、新築・リニューアル案件の割合については、当社はリニューアル案件が圧倒的に多い状況です。
スライド右側のオフィス事業の売上構成は、オフィス製品が全体の58パーセントとなっていますが、比率は徐々に低下しています。しかし、結局のところ、デザイナーたちが当社のオフィス什器をスペックインしているため、家具そのものを売っているというよりも、オフィスや働き方を提案し、その結果として製品が売れるというかたちになっています。オフィス製品の割合は、サービスの18パーセントや工事の24パーセントから派生するかたちで家具が売れるという、現在の販売スタイルを反映しています。
今回、新たに自社ビル案件の割合と収益性について算出しました。肌感覚として、自社ビル案件は、非常に採算性が高いと感じています。仮説段階ですが、その要因として、テナント案件では「こういうことやるときはこの業者を使ってください」など、テナント側で仕様が決められる一方、自社ビル案件ではその自由度が高く、当社にB工事の主要部分からお任せいただけるケースが多いのではないかと考えられます。その結果として、自社ビル案件の利益率はテナント案件より1.3ポイント高くなっています。
自社ビルを所有しているのは地方の中小企業が多いことから、地方が盛り上がっているように感じられるという仮説もあります。いずれにしても、こうした分析を正確に行い、科学的な営業を展開していく考えです。
設備機器・パブリック事業

設備機器・パブリック事業では特殊扉の需要が徐々に見えてきたため、引き続き努力していきます。
ダルトンについては後ほど澤田よりご説明します。
AI×Design based on PEOPLE

年初に全社員に向けて「イトーキはAIカンパニーになる」というメッセージを発信しました。当社は『明日の「働く』を、デザインする。」をミッションステートメントとして掲げています。スライド左側のAIがオフィスづくりをリードしていくことについては、みなさまもなんとなくイメージがつくかと思います。
ただし、そもそもそこで働く人々の働き方がAIによってトランスフォーメーションされているため、当社がそれを先導できるよう、社内の改革を進める必要があります。また、改革の成果をお客さまのレイアウトにも反映させる必要があります。
ガバナンス:経営体制

ガバナンスについてご説明します。客観性、公平性、中立性を含め、取締役会のガバナンス体制を強化する予定です。
取締役会に関しては、いわゆる監視・モニタリングを重視する取締役会とする計画です。また、遅ればせながらではありますが、指名委員会および報酬委員会を設置し、基本的に社外取締役の方々にメンバーを構成していただくかたちを取る予定です。なお、指名委員会の委員長は坂東 眞理子氏にお願いする予定です。
このようなガバナンス体制を考える上でも、後継者育成が最も重要だと考えています。
ガバナンス:社長の後継者育成計画

そのため、社長の後継者育成計画を開始しています。スライド左側に短期、右側に中長期の取り組みを示しています。右側の中長期の取り組みから先に始めており、2023年12月期からは次世代アカデミーとして16名を選抜し、計画を進めています。
中長期計画では、7年から10年先を見据え、外部の研修を受けてMBAに近いプログラムを実施したり、難易度の高い業務を課したりしています。また、社内外の経営者や社長を招き、社長としての心得について話を聞く機会を設けるなどの取り組みを行っています。なお、16名中12名がプロパー社員です。
スライド左側は短期的視点で進めており、4名を選出し、それぞれに目標を明確に伝えた上で、その目標達成に向けたトレーニングを実施しています。
ガバナンス:グループ再編

グループ会社の再編についてです。当社グループ会社は32社あり、中国だけでも8つの法人が存在しています。
このため、基本的には、オフィス系の事業はイトーキに、研究施設系の事業はダルトンに吸収させる方針です。これはガバナンスを徹底するためでもあります。しっかりと整理し、例えば「海外は1国1社体制」などを目指して進めています。
次期中期経営計画の検討方向性

最後のスライドになります。次期中期経営計画を考えるにあたり、これまで「ホップ・ステップ・ジャンプ」という表現を用い、2021年12月期から2023年12月期までは「ホップ」、そして進行期の2026年12月期を「ステップ」とご説明してきました。
2029年12月期については、インオーガニックな成長も含めて、大きく「ジャンプ」へ進めていきたいと考えています。この「ステップ」を進めていくためのジャンプ台は、この4年間から5年間で確実に整えられてきたと実感しています。新しい中期経営計画にもぜひご期待ください。
イトーキの次なる成長のエンジン OFFICE 3.0

八木佳子氏:常務執行役員ソリューション事業開発本部長の八木です。今年からソリューション事業開発本部を担当しています。ワークプレイス事業について、特に「Office3.0」に絞ってお話しします。
当社では、商品を販売するビジネス、空間デザインのご提供、そして空間全体のコンサルティングビジネスに加えて、お客さまの働く環境づくりそのものをデータ活用により運用をサポートするサービスを「Office3.0」と呼んでいます。
働くの見える化サービス「Workers Trail」

スライドは、2021年に発売したサービス「Workers Trail」です。フリーアドレスを導入したお客さまが最初に直面する、誰がどこにいるのかわからないという課題を、位置情報を活用して解決するサービスです。
会議室不足の根本原因を解決する「Reserve Any」

スライドは、昨年発売したサービス「Reserve Any」です。「使えば使うほど、会議室不足が解決する」というキャッチフレーズで大変ご好評いただいています。AIがオフィスの予約をサポートし、ポイントを活用することで、予約コードを変更する仕組みです。この仕組みにより、会議室を増設しなくても会議室の予約が取りやすくなるという、新しい予約サービスです。
このサービスは、働く環境づくりや働き方の運用を支えるもので、データが蓄積されていきます。これによって当社にとってはリカーリング型のサービスとなるだけでなく、後続の「オフィスをこの先どうしたらいいのか?」というコンサルティングサービスを提供するためのデータが蓄積されるという特徴があります。
コンサルティングサービス「 Data Trekking 」

スライドは2024年に発売したサービス「Data Trekking」です。お客さまの働き方やオフィスの使い方が当初想定したとおりに生産性を高めるものになっているかについて、コンサルタントが分析し、アドバイスを行うサービスです。
お客様とつながりつづけるビジネスモデルへ

これら全体を活用してお客さまの働き方をアップデートするのが「Office3.0」です。スライド左上にもあるように、従来のビジネスでは設計してオフィスをつくるところで終わっていましたが、運用フェーズで「Workers Trail」「Reserve Any」を用いてサポートすることで、お客さまの真の働きやすさや生産性向上を支援しています。
さらに、これらを活用してデータをモニタリングしたり、コンサルタントが分析を行うことで、「このままでいいですよ」もしくは「この部分を変えたほうがいいですよ」といったアドバイスや、場合によってはオフィス改装の提案を行うこともあります。こうした取り組みは「Tune up Consulting(チューンナップコンサルティング)」とも表現されます。当社では、Tune up Consultingによって「Data Trekking」という新たな収益を生み出すサービスを提供しています。
これらを継続することで、サービスそのものの収益を得られるだけでなく、お客さまのオフィスの利用状況を最も熟知したパートナーとして、次回の大規模改修時のコンペでも有利にご提案できると考えています。また、場合によっては匿名でご注文いただく事例も出始めていますが、これまでの「Office1.0」「Office2.0」にも良い影響を与え、着実に良い循環が生まれ始めている状況です。
進捗

受注件数は前期比で1.5倍の91件となるなど、サービス自体は大変ご好評をいただいています。やや小規模な案件やトライアルでの利用も多く、売上としてはまだ目標には達していませんが、二次元バーコード先のWebサイトで名前を挙げているような大変立派な企業さまに導入いただき、ご好評をいただいており、繰り返しオーダーをいただくところまで進んでいます。
この種のサービスでは、導入実績を重ねて翌年につなげていくことが重要です。そのため、まずは導入実績を作ることに注力しています。売上はこれから追いついてくると確信しています。
今後の展開

オフィスでは大規模なお客さまが多い状況ですが、ここで培ったサービスのフレームが、先ほどお話ししたような地方や工場でも通用することが徐々にわかってきています。
イトーキ滋賀工場内 チェア工場

今年から新たに提案を進めている取り組みとしては、1月23日に発表した当社滋賀工場への導入があります。工場であっても、お悩みは似ていることがわかってきました。
01 工場オフィスの“課題”

オフィスと異なり、工場では誰がどこにいるのかが意外と把握されていません。設備のデータは取得しているものの、働く人のデータは収集されていないのが現状です。しかし、実際にはこれが工場の運用において非常に重要であり、働く人のデータを可視化することで生産性の改善につながるという点は共通しています。
02 工場オフィスの“見えない”をなくす

工場においても同様に人的資本への投資が課題となっており、人材確保が難しい状況です。そこで、働き方に関するデータや主観的なデータを組み合わせて分析を行い、どのような働き方が工場従業員のエンゲージメントを向上させるのかを検討しています。この取り組みについては、すでに導入実績が出てきています。
イトーキマーケットスペースへの展開

現在、店舗への展開が可能と考え、グループ会社であるイトーキマーケットスペースと共に提案を開始しています。
商品とスタッフの“見えない”をなくす

店舗では、日常業務や運用上の課題が若干異なります。例えば、物品については何がどこにあるのかを把握するために、RFIDタグなどを利用して追跡する仕組みが活用されています。
一方で、店舗ではお客さまの位置情報は比較的取得されているものの、働く人の位置情報は取得できていないのが現状です。しかし、品出しや在庫管理といった作業では、店舗スタッフの位置情報が生産性に影響を与える重要な要素となります。さらに、店舗でもエンゲージメントの向上やリテンションの向上が求められます。この観点からも、同様のフレームを用いてご提案を開始し、初期段階から大変ご好評をいただいています。
ダルトンへの展開

ラボでも同様の展開が可能です。「Data Trekking for Lab」については、後ほど澤田から詳しくご紹介します。
OFFICE3.0 ソリューションの全体像

当社の「Office3.0」というソリューションについて、別の視点から振り返ります。オフィス運用をサポートするさまざまなアプリケーション、位置情報、予約システムを活用し、「ITOKI OFFICE A/BI」と呼んでいる、AIを組み込んだプラットフォームにデータを蓄積して一元化します。そのうえで、データを分析し、次のコンサルティングにつなげるサービスを提供しています。
これは工場、研究所、店舗といった人が働く似たフィールドにも展開できると考えており、今後展開していく予定です。
また、お客さまの働き方における課題や空間の使い方に関する課題を熟知することで、新しいサービスの開発にもつながっています。
Office3.0領域の特許出願件数

IPについてです。直近2年間の特許出願件数は、前中期経営計画の3年間で出願した件数と比較して、すでに1.5倍となっています。累計では、データ、センシング、AIの分野で50件以上の特許を出願しています。これが他社の後追いを許さない優位性を築くことにつながり、新しいサービスの開発に展開されています。
AIエージェントがもたらすソリューションの進化

スライド中央に記載しているとおり、AIがオフィス作りをリードすることによって空間センシングを実現します。また、AIが働き方に関してもサジェストすることで、働き方のトランスフォーメーションが可能になります。
これらを組み合わせることで、従来とは異なる次元の新しいサービスを提供予定です。ぜひご期待ください。
ダルトンの概要

澤田正氏:みなさま、こんにちは。ダルトン代表取締役社長の澤田です。私からは、2025年12月期のダルトンの業績および取り組みについてご説明します。
私は昨年からダルトンの社長を務めていますが、それ以前はイトーキで設備機器事業本部長を務めていました。もともと設備機器事業本部の中で物流機器の担当を長く経験しており、電子・電気・制御・機械に関する知識が豊富であると自負しています。長く事業本部長を務めていたため、営業・生産・開発・設計・施工といったあらゆるサプライチェーンを理解してきました。そのノウハウを活かし、ダルトンの経営改革に取り組んでいます。
まず、ダルトンの概要をご説明します。ダルトンは、今年で創業87周年を迎えます。2011年にイトーキグループの一員となり、15年が経過しました。ダルトングループは連結で5社を有し、グループ全体で642名の社員を抱え、売上は200億円規模となっています。
ちなみに、ダルトンという社名は、イギリスの18世紀の科学者ジョン・ドルトンに由来しています。
4つの事業

事業は4つあります。研究施設事業では、実験台、局所排気装置、排ガス処理装置を扱っており、これがメインとなります。この他、造粒、混合、粉砕を行う機械を扱う粉体機事業、封じ込め空間や無菌空間を作るクリーン機器事業、そして、半導体の洗浄装置を主力とする半導体製造装置事業の4つがあります。
半導体製造装置事業については、昨年、サプライヤーであったADテクノロジーズから事業譲渡を受け、半導体製造会社を設立しました。半導体分野は、今後の成長が非常に期待される分野です。
ダルトングループの業績推移

ダルトングループの業績推移についてです。これまでダルトンの業績は、大型物件の影響を受けやすい傾向がありましたが、今後は安定的な拡大成長を目指していきます。
私は湊の下で3年間、イトーキの設備機器事業本部長を務め、その間にイトーキの経営改革を間近で学びました。今後はグループ会社であるダルトンにこの手法を展開していきたいと考えています。
その成果もあり、2025年12月期には初めて売上高200億円を突破しました。売上高は214億円、営業利益は17億円、営業利益率は8パーセントと、過去最高の売上高および営業利益を達成できました。
研究人材獲得競争を背景としたラボ市場の拡大

ダルトンを拡大成長させるために取ってきた施策についてご紹介します。特に、ダルトンを中心とした研究施設事業の成長戦略についてご説明します。
まず、ダルトンが事業展開している研究施設市場の環境についてお話しします。この市場では昨年、大阪・関西万博が開催されたことに加え、大阪大学・京都大学の2人の教授がノーベル賞を受賞するなど、注目を集める出来事がありました。
さらには、高市総理大臣の新技術立国構想を背景に、非常に活況を呈しています。文部科学省の予算も15年ぶりに100億円を超える増額が見込まれています。特にAI、量子技術、バイオ、半導体など、さまざまな分野でR&Dへの投資が活発化しています。
一方で、研究人材の確保やオープンイノベーションの進展に伴い、賃貸ラボ事業が拡大しています。研究所が新築の場合はゼネコンが設備工事を請け負いますが、賃貸ラボの場合はダルトンのような設備業者が移転業務を含めて直接お客さまから注文をいただくケースが最近増えています。ダルトンは賃貸ラボの拡大に向けてイトーキと協業し、今後、この強みを大いに発揮できると考えています。
DALTONのビジネスモデルの進化

ここからは、ダルトンが前期から開始した戦略についてご説明します。イトーキはビジネスモデルを「Office1.0」「Office2.0」「Office3.0」と表し、それぞれでビジネスの付加価値を高めてきました。
「Office1.0」の商品販売ビジネスから「Office2.0」の空間設計・ソリューション提供、そして「Office3.0」のDXによる働き方の提案を経て、ダルトンはこのビジネスを研究施設の分野に展開していく予定です。「LAB1.0」「LAB2.0」「LAB3.0」として、研究員の働き方改革を推進していく方針です。
ダルトンの強み

「LAB1.0」についてです。87年の歴史を持つダルトンは、研究施設の市場において技術の高さや商品の性能で高い評価を受けています。メイン商品である局所排気装置を国内で初めて生産・販売したのもダルトンです。
局所排気装置は、海外では一般的に「ヒュームフード」と呼ばれていますが、日本では「ドラフトチャンバー」と呼ばれています。この「ドラフトチャンバー」という名称を初めて命名し、一般化させたのもダルトンです。
この市場でのパイオニアとして、国内販売No.1、1万社を超えるユーザーへの納入実績があります。機能面でも優れており、「GOOD DESIGN AWARD BEST100」に選ばれた経験もあります。
さらに、2025年7月のインターフェックスジャパンにおいて、2機種の大型新商品を発表しました。1つは新型の無菌アイソレータ「ステリジョン」、もう1つは粉体装置および封じ込め機器を一体化させた「ユーゴ」です。これらの商品は2025年7月に発売され、発売以降すでに数台の注文をいただいています。今後の起爆剤として、大いに期待できると思います。
また、世界No.1のラボメーカーであるワルドナー社と技術提携を行っています。そのような背景から、今後も技術がますます磨かれ、進化していくだろうと考えています。
LAB2.0

「LAB2.0」についてです。昨年、ダルトン内に空間設計&コンサルティング部門を新設しました。従来、ダルトンは技術や商品に関して非常に高い評価をいただいていました。しかし、空間設計については、顧客のニーズに応じてイトーキの支援を受けて対応していました。このため、昨年、イトーキからデザイナーの出向を受けることで、ダルトンが単独で提供できる体制を構築しました。
これにより、オフィスを含む研究施設全体の空間設計やコンサルティングサービス、さらにはソリューション提供が可能となり、「LAB-WORK INTEGRATOR」として進化したかたちとなっています。
当然のことながら、オフィスとラボは働き方が異なるため、そうした特徴をダルトンで実現しています。その成果もあり、昨年1年間で設計・コンサルティング受託費が従来の3倍に増加しました。ダルトンは長期案件が多いですが、150億円規模の大型プロジェクトの商談を成立させることができました。新しいLab市場の創出を実現しています。
本社オフィスの移転、東京ショールーム開設

2026年10月、ダルトンは本社を豊洲に移転します。社員のエンゲージメント向上はもちろんのこと、生産性やダルトンブランドの向上を目的としています。また、新本社にはショールームを併設し、お客さまへの訴求効果を高めていきたいと考えています。従来の訪問営業から顧客来場型営業へのシフトを進める意図もあります。
さらに、イトーキが日本橋で実現していることを参考にしながら、ダルトンでも同様の取り組みを進めていきたいと思っています。ショールームでは、ダルトンが設計する新たな研究室や執務エリアの在り方、ラボでの新しい働き方、そして先進的な商品を、より多くのお客さまにご覧いただきたいと考えています。
LAB3.0

「LAB3.0」を活用し、このショールームを通じてお客さまに訴求していきます。イトーキが開発したシステム「Data Trekking for Lab」や、RFIDを活用した資産管理システムを含む4つのシステムを、このショールームで実装します。イトーキが開発したシステムをラボ版に改良し、研究所向けの新しいソリューションとしてショールームで実際にお客さまにご覧いただき、普及を目指すかたちで考えています。
これらのシステムはすでにPR活動を実施済みです。お客さまから「ぜひとも導入したい」という声を多数いただいており、期待しています。
創造の、共創へ。

以上、2025年12月期のダルトングループの業績報告と取り組み内容です。ダルトンは、2026年12月期においてすでに前期比119パーセントの商談を保有しており、非常に好調です。
ダルトンは「創造の、共創へ。」をコンセプトに掲げ、イトーキと連携し、次の時代の「LAB-WORK INTEGRATOR」に向け邁進していきます。さらに、社内では「ダルトンダントツいちばん」を合言葉に、事業の拡大・成長を進めていく予定です。ぜひ、イトーキとともにダルトンの成長にご期待ください。ご清聴ありがとうございました。
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