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バーチャル空間の防衛強化へ、「サイバーセキュリティー」6銘柄大選抜 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2026/03/07 19:30

―アドテストなど企業への不正アクセス相次ぐ、政府はワーキンググループ立ち上げ議論推進―

 サイバー攻撃への備えは怠れない。アドバンテスト <6857> [東証P]がランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による被害を受けたことが先月明らかとなり、株式市場において改めて関心が高まっている。 サイバーセキュリティー関連のテーマは、今後一段と加速するデジタル社会の潮流のなかで需要が拡大することが確実視される成長分野として、継続的に注目を浴びている。高市早苗政権が掲げる「17の戦略分野」の一つでもあり、国策テーマの位置づけでも投資家の視線は熱い。数ある関連銘柄のなかから中小型の有望株を探ってみた。

●昨年12月に戦略改定、「能動的防御」明記

 アドテストは2月19日、「ランサムウェアを伴うサイバーセキュリティインシデントが発生した」と発表した。15日にIT環境内で異常な動きを検知。権限のない第三者がネットワークの一部に不正アクセスし、ランサムウェアを展開した可能性があるとした。3月4日に続報を発表し、対応を講じたことでシステム環境から不正な侵入者が排除されたことを確認したと明らかにした。こうした被害は近年相次いでおり、昨年のアサヒグループホールディングス <2502> [東証P]やアスクル <2678> [東証P]、2024年のKADOKAWA <9468> [東証P]における事案は社会的な関心を集めた。22年にトヨタ自動車 <7203> [東証P]が取引先のシステム障害によって国内の全工場を一時停止したことも記憶に新しいだろう。

 ロシアによるウクライナ侵攻や直近の緊迫化する中東情勢などをみると、現代の戦いはミサイルや戦車、あるいは長距離ドローンによる物理的な攻撃に加え、SNS上での情報戦や社会システムの混乱を狙う不正アクセスといったサイバー空間上での攻防が激しさを増していることがわかる。地政学リスクの高まりを背景とした防衛力強化を考える際には、こうした「ハイブリッド戦」を念頭に置いた議論が求められる。政府は昨年12月に「サイバーセキュリティ戦略」を改定し、「能動的サイバー防御を含む多様な手段を組み合わせる」と明記。専門人材の確保や育成を図る方針を盛り込んだ。17の戦略分野に絡み、先月からは「デジタル・サイバーセキュリティワーキンググループ」が立ち上がり、各取り組みに関する議論が進められている。

 サイバーセキュリティー分野は、 防衛や宇宙開発、核融合発電と並び、高市トレードにおける有力な物色テーマの一つだ。昨年の高市政権の発足前後で売買が大いに盛り上がった経緯がある。ここ最近ではAIが既存のネットサービスを駆逐するという「AI脅威論」が台頭し、ソフトウェアやシステム開発、ITコンサルといった幅広い銘柄群にパニック的な売りが発生。この流れがサイバーセキュリティー関連株にも波及し、トレンドマイクロ <4704> [東証P]やFFRIセキュリティ <3692> [東証G]をはじめとして軒並み安となる場面があったものの、足もとこの懸念はひとまず落ち着きをみせている。

●AI脅威論の影響あったデジハHDなど

 アイ・エス・ビー <9702> [東証P]は独立系のシステムインテグレーター。顧客領域は自動車から金融、医療、官公庁まで多岐にわたる。収益性の高いリカーリング(継続課金)製品を展開し、その一つであるモバイル管理サービス「FiT SDM」はウイルス感染やランサムウェア攻撃をブロックする高い安全性を備え、大口顧客を獲得するなど着実な成長を遂げている。業績は26年12月期に営業30%増益を予想。成長投資に伴うコストがかさんだ前期からV字回復し、2期ぶりの最高益更新を狙う。配当は5期連続の増額を予想。株価は高値圏で底堅く推移する。

 インテリジェント ウェイブ <4847> [東証P]は大日本印刷傘下のシステム会社で、クレジットカード決済システムで国内トップクラスを誇る。セキュリティー領域を第2の柱とするべく、収益性の高いプロダクトの価値向上と販売強化を推進。国内だけでなく、東南アジアを中心に海外市場への展開も取り組む。上期(25年7-12月)は品質対応の影響を受け、営業利益は前年同期比2.1%増の8億7500万円と小幅な増益にとどまった。通期計画(24億円)に対する進捗状況は気がかりだが、会社側では引き続き新規案件の確保に注力するとし、計画は据え置いた。

 アクリート <4395> [東証G]はSMS(ショートメッセージサービス)の配信代行を手掛ける。電話番号宛てにメッセージを送るSMSは本人確認の手段になるため、ネットサービスにログインする際の2段階認証などに広く用いられている。同社は業界のパイオニアとして国内市場で大きな存在感を示し、22年にはベトナムの同業を子会社化して更に業容を拡大。また、AIを活用した独自ソリューションの開発にも乗り出し、IoTデバイス型教材を展開するなど成長に向けた取り組みに余念がない。26年12月期は3期連続の増収・営業増益を見込み、配当も計画する。

 日本ビジネスシステムズ <5036> [東証P]はマイクロソフト製品を中心としたITサービスを提供し、クラウドの導入支援や保守、運用も行う。企業の旺盛なデジタル化需要や、それに伴うセキュリティー需要を取り込み、業績拡大トレンドをまい進。26年9月期の営業利益は前期比10.6%増の84億円と連続最高益を予想。第1四半期(23億1300万円)時点の進捗は良好だ。配当も連続増配を見込む。株価は好業績を背景に、今年1月に1896円の昨年来高値をつけた。その後調整局面入りし、足もと1500円近辺で推移。200日移動平均線を巡る攻防となっている。

 デジタルハーツホールディングス <3676> [東証P]はゲームソフトのデバッグ(不具合検査)を主力とするが、企業向けのセキュリティー事業も手掛け商機を捉えている。セキュリティー事業を巡っては、これまでスピンオフ上場に向けて準備を進めてきたが、今月に入ってこれを見直すと発表。昨今のAI脅威論を踏まえて上場は取りやめ、引き続きグループ内でデバッグ事業とともに成長を目指す方針を示した。あわせて、増配と株主優待制度を実施することを明らかにした。これを受け、株価は安値圏から急速に切り返す動きをみせている。

 フーバーブレイン <3927> [東証S]は情報セキュリティー製品を開発販売。業務ツールの導入支援やエンジニア人材の提供なども展開する。「日本発のAIガーディアン」となることを標榜し、中期経営計画で30年3月期に売上高150億円・営業利益15億円(調整後ベース)とする目標を掲げる。26年3月期が売上高60億円・営業利益7億円(同ベース)で過去最高予想だが、ここから2倍以上に拡大する計算だ。今期は初配当を見込む。株価は足もと全体相場の荒波にもまれ800円割れまで突っ込んだが、すぐに立ち直り、850円近辺に位置する200日線を早くも上抜けた。

株探ニュース
配信元: 株探

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