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オープンワーク、営業収益・営業利益が4年連続上場来最高を更新 初M&Aの狙い、中期成長計画についても解説
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大澤陽樹氏(以下、大澤):代表取締役社長の大澤です。本日は、執行役員の広瀬とともに登壇します。主に質疑応答の場面で一緒に回答していく予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
2025年12月期の決算を発表しましたので、本日はその内容をみなさまに共有します。
アジェンダとして、1つ目はエグゼクティブサマリー、2つ目は会社概要です。会社概要については、本日初めてご覧いただく方や久しぶりに当社をのぞいてみた方向けに、オープンワークという会社がどのような会社で、どのような事業を進めているのかをご説明します。
3つ目は2025年12月期の決算概要、4つ目は2026年12月期の業績予想に関するガイダンス、そして5つ目には今回初めてとなるトピックスとして、2030年までの成長計画についてみなさまに共有していきます。
2025年12月期 本決算 決算トピックス

エグゼクティブサマリーです。2025年12月期の決算トピックスとして、全社の営業収益および営業利益が上場来最高を4年連続で更新しました。営業収益は期初予想である前期比プラス27.0パーセントを上回り、前期比プラス31.4パーセントで着地しました。また、営業利益は11億9,000万円を記録し、大きく成長しました。
オープンワークの主力事業OpenWorkリクルーティングは、第4四半期単独で前年同期比プラス41.2パーセントの成長を遂げました。通期の営業収益は、OpenWorkリクルーティングセグメントにおいても過去最高を記録し、32億4,000万円に到達しました。
また、2025年12月に株式会社PM Clubの全株式取得を決議しました。こちらについては後半でご説明しますが、当社にとって初のM&Aとなります。これから新しい取り組みに挑戦していきたいと考えています。
さらに、2030年に向けての最後のトピックスとして、ワーキングデータを活用した事業拡大およびM&A推進により、営業収益150億円以上、営業利益30億円以上を目指す計画を発表しました。
2025年12月期 業績サマリー

業績サマリーです。すでにお話ししたとおりとなっています。KPIについては後ほど触れます。すべてが順調に推移していると捉えていただければ幸いです。
ガイダンスしていた内容を大きく達成できただけでなく、さまざまな準備も進めることができた非常によい1年だったと思います。
会社概要

当社の会社概要をご紹介します。オープンワークは2007年に創業し、2022年12月に東証グロース市場へ上場しました。社員数は150名弱の小さな会社ですが、非常に多くのユーザーさまに愛されている転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営しています。
Slogan / Mission

当社ではコーポレートスローガンとミッションを掲げています。すべてを覚えるのは難しいと思いますので、一言だけ覚えていただきたいのは「働きがい」です。
日本の「働きがい」は実は世界でも最低水準に位置しており、ここに非常に大きな改善余地があると当社は考えています。日本の労働人口は減少局面に入っていますが、その中でも労働参加率を高めるための取り組みがなされており、実際に労働参加率は大きく向上しました。
しかし、労働参加率を高めるだけでは、日本全体のGDPを改善することは難しく、一人ひとりの労働生産性を向上させる必要があります。この労働生産性の向上に寄与する1つの要素が「働きがい」や「やる気」です。
「働きがい」が世界最低水準となっている現状については、まだ大きな伸びしろがあるのではないかと考えています。当社は、この課題をテーマに事業やサービスを展開しています。
オープンワークが目指す世界

オープンワークの目指す世界観についてです。これまでは新卒一括採用、終身雇用、年功序列が一般的でした。これは悪いことではありません。「自分のキャリアを会社に預けておけば安心だ」「年収も上がり、解雇される心配もなく、退職金も十分もらえる」といった時代でした。
現在では、職種別採用が進み、人材が流動化・活性化しています。加えて早期退職制度が普及し、会社にキャリアを預けていても安心できない社会が到来しました。自分のキャリアは自分でデザインしていかなければならない時代になり、「働く」の主役が会社から個人へと変化しています。
しかし「では、みなさん、自分のキャリアを自分でデザインしてください」と言っても、それを実行するための環境が十分に整っていないのが、日本の労働市場の実態だと考えます。転職や就職を試みる際にも、実態とかけ離れた広告や採用サイトが多く、入社後に大きなミスマッチが発生しています。
そのような労働市場において、自分のキャリアを自分でデザインするのは困難です。こうした状況の中で「情報の透明性」が労働市場には必要であると感じ、当社は「OpenWork」というサービスを開始しました。
「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」の関係

当社の主力サービスである「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」との関係について、ご説明します。「OpenWork」は、日本最大級の社員クチコミ情報サービスです。入社前にその会社の実態を知ることができます。
つまり、転職や就職をする際に、「人事や社長はこう言っているけれど、本当のところはどんな会社なのだろうか」「子育てや介護をしながら働きやすい環境なのだろうか」「AI活用はどのくらい進んでいるのか」「年収1,000万円を超えるのはいつなのだろうか」といった、入社しないとわからない情報を知ることができるのが「OpenWork」というサービスです。
ユーザー数は775万人です。そのうち転職や就職を希望する方がWeb履歴書を登録しており、そちらの登録者数は165万人です。
「OpenWorkリクルーティング」は「多様な優秀人材に出会える採用サービス」です。現在、日本の労働市場は売り手市場となっているため、企業側は人が集まるところに採用に行きたいという背景があります。
このニーズを満たす、法人向けのサービスが「OpenWorkリクルーティング」です。「OpenWork」のユーザーにスカウトや求人を提供し、優秀な人材を採用できます。契約企業数は4,400社に達しています。
「OpenWorkリクルーティング」にご契約いただくと、企業情報を掲載でき、その中には求人も含まれます。現在、求人の掲載数は9万9,000件です。「クチコミと企業の情報を組み合わせて見たいユーザーが増えることで履歴書の登録数が増え、登録履歴書が増加すれば契約する企業も増え、結果として企業の情報がさらに拡充していく」という循環が生まれています。
双方がポジティブに影響を及ぼし合いながら成長していくのが、「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」というサービスの関係です。
日本最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」

「OpenWork」は、日本最大級の社員クチコミサイトです。特徴として、「8・8・3」と呼ばれる8つの評価スコア、8つの定性的な社員クチコミ、3つの実情報で構成されているデータがあります。
特に人間の主観から発信される「働く」に関する自然言語データを大量に保有していることが、AIがこれから発展していく中で、非常に大きな競争優位性になると確信しています。こちらについては、後ほどご説明します。
8つの評価スコアは、待遇面の満足度、風通しの良さ、20代の成長環境、法令順守意識といったものを、1から5の段階で評価していただいています。
8つの社員クチコミに関しては、ワークライフバランス、組織体制、企業文化、経営者への提言、女性の働きやすさなど、8つの項目に対して500文字以上で投稿していただくものです。
3つの実情報として、月間残業時間、有給休暇消化率、年収データを確認することができます。
これらのクチコミは無料では閲覧できませんが、4つの方法のうち1つを選択いただくと閲覧可能となります。Web履歴書を登録する、実体験をクチコミとして投稿する、「OpenWork」以外の人材サービスなどに登録する、有料会員登録する、の4つの方法があります。
提携サービスに登録すると「OpenWork」のクチコミを1ヶ月閲覧できるようになり、その代わりに当社は紹介料や広告料を得る仕組みです。有料会員登録は月額1,800円(税別)をお支払いいただきます。これらの方法が当社の収益に寄与しています。
以上の4つの方法から1つを選んでいただくことで、クチコミを閲覧できるモデルとなっています。
企業向けダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」

「OpenWorkリクルーティング」は、「OpenWork」上で非常に評価されている企業が、集まったユーザーのみなさまにスカウトや求人情報を送ることができるサービスです。
サービス利用費用については、基本利用料(年間120万円から)に加え、採用成功報酬が中途採用では1人当たり70万円、新卒採用では1人当たり30万円となっています。
スライドでは割愛しましたが、「OpenWork」の学生ユーザーについて、2026年2月17日にプレスリリースを公開しました。2026年卒業予定の大学生のうち約32万人が「OpenWork」を利用しており、就職活動生の「3人に2人」以上が活用しているサービスです。そのため、学生採用にもキャリア採用にもご利用いただけるモデルとなっています。
「OpenWorkリクルーティング」は「広告費を投入すれば検索順位が上がり採用が増える」という従来のモデルを採用せず、ユーザーのみなさまに最大限の価値を届けることに重点を置いています。
具体的には、お金を払えば上に掲載されるという仕組みではなく、「OpenWork」上でスコアが高い企業や、ユーザーのみなさまが最も出会うべき企業や求人が表示されるモデルを採用しています。
「お金をもらっているからいい会社を載せよう」という考えではなく、ユーザーのみなさまが自分に合った、「働きがい」が向上するような会社を探せるサイトであることが重要だと考えています。これからの売り手市場において、ユーザーに価値を届けられる採用プラットフォームは必ず勝ち残っていくと考えています。
クチコミデータを新たな社会課題解決に活用する「オルタナティブデータサービス」

まだ売上の2パーセントから3パーセント程度ですが、新たな事業である「オルタナティブデータサービス」も非常に順調に伸びています。
スライド左側に示されているのは、FIS(Financial Indicator Service)です。AIなどを活用し当社のクチコミデータを仮名加工して、金融機関向けに提供しています。
「OpenWork」のクチコミデータが企業の業績や株価と相関があることが査読付きの論文で発表されており、それを見た国内外の資産運用会社のクオンツファンドやヘッジファンドが当社のデータを購入しています。
また、スライド右側のDAP(Data Analytics Platform)も非常に伸びています。これは「各企業のクチコミをAIで分析し、企業風土・働きがい等の組織課題をレポート化」したものです。
最近では、組織を良くし、採用を促進しないと会社が成長しないという課題があり、そのためにどのような組織改善を行うべきかが問われています。従業員エンゲージメントサービスを提供している中で、「本当の課題がわからない」「辞めた人の声が聞けない」といった課題があります。
当社では、投稿されたクチコミからそうした人々の声を拾い、AIを活用して分析し、組織課題をレポートするサービスを行っています。このサービスは現在、特に上場企業を中心とした大手企業からご好評をいただいており、人的資本経営に取り組む必要のある企業に支持されています。
キャリア情報の交換・収集のためのコミュニティサービス「OpenWorkキャリア」

新しく立ち上げているサービスのうち、以前からお伝えしているものに「OpenWorkキャリア」があります。こちらは、キャリアに特化したSNSです。
キャリアは非常にブラックボックス化しているのですが、「OpenWork」が会社におけるブラックボックスを解消するサービスであるのに対し、「OpenWorkキャリア」は個人のキャリアにおけるブラックボックスを解消することを目的としています。
例えば「どの職種がどの程度の年収に到達し、何歳でどのようなキャリアを描けるのか」「どのようなスキルを持っていると年収が上がりやすいのか」等の情報を提供します。キャリアに悩んだ際に自分と似たような人に気軽に相談できる、キャリア検討のプラットフォームサービスを展開しています。
こちらはまだマネタイズをしておらず、ユーザーのみなさまに価値あるサービスを届けられないかという点を実証実験中です。以上がオープンワークの全体像です。
事業系統図

事業系統図です。大きく3つのセグメントに分かれています。1つ目は「OpenWork」です。提携サービスに登録すると「OpenWork」のクチコミが見られるようになり、その広告料としていただく紹介料や、有料会員として個人から支払っていただく会費が収益となります。
2つ目が「OpenWorkリクルーティング」です。Web履歴書を登録したユーザーに対し、企業やエージェントがスカウトや求人を送ることができる採用領域です。
3つ目が「オルタナティブデータサービス(FIS・DAP)」です。当社の仮名加工データの利用料や、クチコミレポートの購入費用が「オルタナティブデータサービス」領域の収益となっています。
P/Lハイライト

ここからは、2025年12月期の決算概要をお伝えします。まずはP/Lハイライトです。冒頭のエグゼクティブサマリーでもご説明しましたが、過去最高の営業収益および過去最高の営業利益を更新し、非常に良い結果となりました。また、期初予想も達成しています。
業績推移(四半期ごとのサービス別営業収益の推移)

四半期ごとのサービス別営業収益の推移についてです。先ほどの事業系統図に基づくものです。「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」「オルタナティブデータサービス」いずれも順調に成長した1年となりました。
スライドからも読み取れるように、他社の提携や会員課金を主とする「OpenWork」のストック型ではなくフロー型のビジネスであり、「OpenWork」の中でデータが蓄積されにくい構造となっています。できるだけ「OpenWorkリクルーティング」に寄与できるよう、当社内にクチコミデータを蓄積していく方向へ振る方針としています。
「OpenWork」については、実際には微減もしくは現状維持で長らく維持してきました。しかし、2025年12月期においては、人材業界全体で広告費が非常に高騰している状況の中、当社でも送客部分においてクライアント企業に値上げをお願いし、単価向上の交渉を行いました。その結果、交渉が成功し、1年間でおよそ15パーセント成長することができました。
ただし、2026年12月期以降は再び現状維持もしくは微減程度の状況になる見通しであり、2025年12月期の成長は、一時的な特需として捉えていただければ幸いです。
営業費用の推移

営業費用の推移です。第2四半期や第3四半期の決算発表時にもお話ししましたが、第4四半期では予定どおり広告投資やプロダクト開発など将来の成長のための投資をしっかりと進めました。
人件費については、AI関連の開発が一時的に増加している影響で、その分が上乗せされるかたちとなっています。
各種KPI / OpenWorkリクルーティング

「OpenWorkリクルーティング」の各種KPIについて、お伝えします。こちらは順調に成長しており、Web履歴書登録者数も契約社数も増加しています。
第2四半期や第3四半期の決算発表時にもご説明しましたが、2025年12月期第1四半期から「OpenWorkリクルーティング」を導入する際にイニシャルフィーをいただくようになりました。その影響で、契約社数の伸び悩みが予想されていました。
しかし、セールスマーケティングチームの努力により、契約社数が順調に増加したことは非常に評価できるポイントです。
各種KPI / OpenWork

「OpenWork」の各種KPIです。ユーザー数とクチコミ数のいずれも順調に伸びており、プラットフォーム価値の向上が順調に進んでいます。
2026年12月期 通期業績予想

2026年12月期の業績予想について、ご説明します。
2026年12月期の業績予想は、営業収益57億円で、前期比22.5パーセント増を見込んでいます。一見すると伸び悩んでいるように見えるかもしれませんが、そのようなことはありません。先ほどお伝えしたとおり、「OpenWork」は2025年12月期に、単価向上の影響で大きく伸びました。
今年は例年どおり、「OpenWork」セグメントのフロー型ビジネスは現状維持を見込んでいます。一方で、「OpenWorkリクルーティング」や「オルタナティブデータサービス」に貢献するデータの蓄積にしっかり投資する予定です。
「OpenWorkリクルーティング」は引き続き30パーセントを超える成長トレンドが継続しており、「オルタナティブデータサービス」も、非常に小さな割合ではありますが、順調に成長する見込みです。
営業利益については、2025年12月期の伸びをさらに上回り、14億5,000万円を目指す計画です。
2026年12月期 各サービスの営業収益見通し

2026年12月期の各サービスの営業収益見通しは、先ほどお伝えしたとおりです。特に「OpenWorkリクルーティング」「オルタナティブデータサービス」に関しては、さらなる成長が見込めると考えています。
2026年12月期の営業費用の見通し

2026年12月期の営業費用の見通しです。全体的に増加する予定です。人件費については、顧客数やクライアント数の増加に加え、AI開発の強化に伴い、プロダクト開発に携わる人材の採用を強化します。
広告宣伝費は、2025年12月期ほどは伸ばさない予定ですが、関西・関東エリアでのプロモーションを継続するため、前期比11パーセント増を見込んでいます。
その他費用の増加については、今年新しいリリースをいくつか予定しており、「クチコミ×AI」に関する新機能を積極的に開発していることが主な要因です。また、一部では外部のパートナー企業と共同開発を行っており、費用が増加しています。さらに、セキュリティ関連の投資も強化しています。
株主優待制度に関するご案内

株主優待制度のご案内です。こちらは2025年12月期から開始され、継続していくものです。以前から「オープンワークを応援したいけど、社員クチコミ閲覧権限が欲しい」というご意見があったため、社員クチコミ閲覧権限も含めて、交換可能なデジタルギフトを優待として設定しています。
株主優待制度に関するご案内

保有株式数と継続保有期間に応じて優待内容が異なりますので、ご興味のある方はぜひご確認いただければ幸いです。
長期的な成長に向けた当社の人的資本開示方針

当社では人的資本の状況についても公表しています。
取締役会で日常的に議論している2つの指標として、「OpenWork」上の当社のスコアと、「モチベーションクラウド」という従業員エンゲージメントを測る指標があります。こちらの2つの指標を当社の人的資本や無形資産として、しっかりとモニタリングしています。
こちらの2つを指標としている理由は、いずれも業績や株価との相関が証明されているためです。良い会社、良い組織を作ることで、最終的に売上や利益、企業価値が向上すると考え、この指標を追跡しています。
当社の人的資本情報とその課題

毎年聞いていただいている方には未達が続いている項目であり、「今年も同様なのではないか」と懸念されていたかもしれませんが、ついに念願のスコアを達成しました。「OpenWork」では2026年2月現在3.73ポイントとなり、今もなおスコアが上がっています。上位2パーセントに入るまで組織改善が進んでいます。
「モチベーションクラウド」のエンゲージメントスコアに関しても、AAAという最高ランクを獲得することができました。従業員数は増加していますが、それを言い訳にせず、組織状態を良好に保つことができた1年でした。
特に、人員が増えていく中でのチームビルディングや、2日間にわたるマネージャー陣の経営合宿などに取り組みました。これらの取り組みが、従業員の高いエンゲージメントにつながっています。
また、AIを活用した開発やプロダクトのロードマップを全社員で共有していることも、エンゲージメントスコアの向上に大きく寄与していると考えています。
2030年までの成長計画

最後に、今年初めて開示した2030年までの成長計画について、お話しします。
まずは、数字面での計画についてです。2030年までに、営業収益は150億円以上、営業利益は30億円以上を目標としています。なお、これは少なくとも達成すべき最低ラインを示しています。
もちろん、先々の状況は不透明な部分もあります。しかし、M&Aにおいてどのような大きな企業とご縁があるかによっては、さらに成長の可能性が広がると見ています。現在の事業のオーガニックな成長や、すでに把握しているM&Aの機会を踏まえて計画を立てています。
間違いなくここまでは到達できると考え、開示しています。
2030年プロダクト全体戦略:WDP(Working Data Platform)

どのように成長させていくかについて、ご説明します。まず核心となるのは、「AIがオープンワークにとって非常に追い風である」という点です。当社は「ワーキングデータプラットフォーム」という戦略を以前から掲げており、これを2030年までさらに延長することを決定しています。
「OpenWork」には少なくとも日本では最大級の「働く」に関連する定量データおよび定性データが集まっています。企業の求人データに限っていえば、他社の方が多く保有しているかもしれませんが、それ以外の多くのデータを保有している点が特徴です。
具体的には、一人ひとりの主観的なデータとして、どのような職種で働いているのか、年齢やスキルセット、どの企業に所属しているか、そこでの年収や、その人がポジティブに感じているのかネガティブに感じているのか、「働きがい」や成長、さらにワークライフバランスがどのようなものなのかといったデータがそろっています。
また、それだけではなく、レジュメデータや、後ほど説明するM&Aを通じてPM Club社と共同で作成しているスキルタグやスキルインテリジェンスに関するデータがあります。さらに、企業側から見て従業員の生の声といえるデータをどんどん集めています。これらを総称して「ワーキングデータプラットフォーム」と呼びます。
これらのデータは、ベクトルデータベース化などを行い、使いやすいように加工しています。データをそのまま保存しておくだけでは活用が難しいため、利用しやすいかたちでプラットフォームに蓄積しています。こうしたデータが増えることで、次のような取り組みが可能になります。
当社としては「求職者のみなさまが最適なキャリアをデザインできる社会を実現したい」と考えています。そのため、ユーザーのみなさまには「OpenWork」にレジュメだけでなく、現在の職場で感じていることや日々の仕事内容などを積極的に投稿し、預けていただいています。
当社には2,000万件以上の社員クチコミなどのワーキングデータが蓄積されています。これらのデータを活用し、AIやM&Aで提携したエージェント企業などとの協業を通じて、その人にとって本当に最適なキャリアをいくつか提案できるよう取り組んでいます。
「クライアントからたくさんお金をもらっているから、ここに押し込もう」というような社会ではなく、データ上から「こういうキャリアを歩むとこういう年収になる可能性がありますよ」「こんなスキルを獲得すると、今後こういうキャリアオポチュニティがあるかもしれないですよ」といった情報を提供できるようなプラットフォームにしていきたいと考えています。
また、企業側においても、「働きがい」がある企業が報われる社会を目指しています。そのため当社に集まったクチコミだけでなく、「OpenWorkリクルーティング」を活用いただいている企業には、仕事や方針に関する最新データをどんどん預けていただくことで、さまざまなご提案が可能になります。
例えば「この職種を採用するなら、もう少し年収を上げていかないと採用可能性は低いですよ」「御社のこの職種でこのような人が活躍しているのであれば、当社のプラットフォームのこの人を採用すると御社でも活躍する可能性がありますよ」といったものです。
また、「御社はクチコミとしてこのような傾向があり、このようなカルチャータグがあるので、ユーザーの中でこのようなクチコミを書いている人やこういうカルチャータグを持っている人とマッチする可能性が高いのではないですか?」といった企業マッチングや組織改善のサポートは、自然言語データを保有しているオープンワークだからこそ提供できるものです。
このように、他社ではおそらく到達できない「働く」に関する定量データや定性データを最大限に活用することで、真に価値あるマッチングや組織改善を実現できるプラットフォームを目指します。それがワーキングデータプラットフォームです。
さらに、その価値を感じていただければ、当社のユーザーやクライアントが増え、それに伴ってデータも増えていきます。そのデータを求職者や企業に還元することで、当社にも収益が還元される仕組みとなっています。
収益をAIの開発やマーケティングに投資することで、日本で「働く」に関するデータが最も集まり続けるポジションをさらに確立していくことが、2030年のプロダクト全体戦略である「ワーキングデータプラットフォーム」の目指す方向性です。
求職者サイドへの新たな価値提供方針

求職者サイドと企業向けに分けて、ご説明します。求職者サイドの最大の課題は、ユーザー数が800万人弱いるにもかかわらず、Web履歴書を登録している人が165万人にとどまっていることです。この課題を解決するために、3つの注力テーマを設定しています。
1つ目は「データ拡充によるレコメンド精度の向上」です。AIを活用してレコメンドの精度を高めることで、「OpenWork」に履歴書を登録するインセンティブを生み出します。
2つ目は「AIを活用したキャリア支援」です。当社では、転職時だけではなく、キャリアアドバイスも提供しています。例えば「現在の会社に残るべきかどうか」「残る場合でもどのような仕事にチャンスがあるのか」といったアドバイスです。当社に蓄積されている多くのキャリアデータを活用し、これらの情報を提供します。
3つ目は「人材エージェント事業の強化」です。不都合な真実として、「OpenWork」のクチコミは意外にも文章が長いため、あまり読まれていません。多くの方がスコアだけを見ている傾向があります。
一方で、そのような長い文章の中からAIが見逃しがちな個別事情を汲み取って「こういう情報がありますよ」と届けていく点では、まだ人の介在に価値があると考えています。
そのため、M&Aなどを通じて人材エージェント事業者と協力し、「OpenWork」のデータを活用してユーザーのみなさまに価値を届けられるような、新しい人材紹介のかたちを模索していきたいと考えています。
企業サイドへの新たな価値提供方針

企業サイドへの新たな価値提供方針についてです。「OpenWork」のデータを活用することで、単に採用を支援するだけでなく、企業のブランディング、つまり求人票には表れない企業の魅力を伝えるお手伝いが可能になります。
マッチングについては、AIを用いることで見極めや動機づけをサポートし、採用工数を削減します。さらに採用後に離職者が出にくくなるよう、ワーキングデータを活用した組織改善の支援まで行えます。
「『OpenWork』を使っておけば、自社の魅力が正確に伝わり、効果的な採用活動ができ、採用後も人材が定着しやすい組織を作ることができる」と思っていただけるような、ワンストップのサービスを目指していきます。
M&Aの方針

M&Aの方針について、ご説明します。当社は大規模なユーザー数やワーキングデータ、さらに70億円以上の豊富なキャッシュを保有しており、これらを有効活用したいと考えています。
先ほどからご説明している人材紹介・マッチング関連で協業できる企業や、今回のPM Club社の買収のようにデータ資産、AI開発、データサイエンスを活用できるM&Aを推進し、オープンワーク独自の価値をさらに磨いていきたいと考えています。
M&A実施事例:株式会社PM Clubのグループイン

2025年12月に実施したPM Club社のM&Aについて、ご紹介します。当社にとって初のM&Aとなります。PM Club社はプロダクト開発人材に特化した「PM Career」というサイトに加えて、プロダクトマネージャー人材向けのオンラインスクール「PM School」を運営している会社です。
これらはもちろんすばらしいサービスですが、実はその裏側にある「スキルインテリジェンス」に着目しています。
例えば、個人の職務経歴書やダイレクトリクルーティングサイトに登録する情報として「プロダクトマネージャー経験3年」と書かれ、どのような業務を行ったのかが文章で述べられている場合を考えます。
「プロダクトマネージャーとして3年の経験がある」と言っても、非常に能力が高い方もいれば、実務経験やスキルがほとんどない方もおり、実際のところ、能力には大きな差があります。
PM Club社の知見を活かせば、これらの求職者が持つ能力を「スキルタグ」に分解することができます。例えば、ABテストの実施能力、ユーザーインタビューの能力、プロダクトマネジメントの能力といった項目ごとにスキルタグ化し、さらにそのレベルを分類することもできます。
このようなスキルの在庫は「スキルズインベントリー」と呼ばれ、そのスキルズインベントリーを作成するためのデータベースは「スキルディクショナリー」といいます。
PM Club社は、求職者のスキルや能力をプロダクト上で可視化し、実装する知見を有しています。また、すでにいくつかの職種において、このような「スキルインテリジェント」を保有しており、オープンワークとの相性が非常に良いのではないかと考えました。つまり、オープンワークが保有する膨大なデータから、スキルタグを生成することが可能です。
このスキルタグに、オープンワーク側のクチコミ情報、個人と企業のカルチャータグという要素、さらに仕事内容、年収、勤務地などのルールベースでマッチングできる要素を組み合わせることで、オープンワーク独自の新しい次世代マッチング「スキルベースドハイヤリング」やキャリア支援を実現できる体制が整います。
このような背景から、PM Club社にジョインいただきました。こちらは収益に貢献するまでに少し時間がかかる開発になるかと思いますが、ぜひご期待いただければ幸いです。
質疑応答:「2030年までの成長計画」における営業利益率低下の織り込みについて
司会者:「今回発表された2030年までの成長計画について、教えてください。2030年に営業収益150億円以上、営業利益30億円以上という目標は、営業利益率の低下を織り込んだ数字に見えます。しかし、今後『OpenWorkリクルーティング』が伸びることで固定費の割合が低下し、利益率はむしろ長期的に向上するとの想定を持っていました。
以上を踏まえて、2030年に営業収益150億円以上、営業利益30億円以上と設定された背景について教えていただけますか? また、この数字は最低限達成したいと考えている数字か、努力目標といった位置づけなのか、どちらでしょうか?」というご質問です。
大澤:本件に関してご質問いただき、とてもうれしく思います。まずこの数値は、最低限達成したい数値です。さらに高い目標に向けて取り組んでいけると考えています。
今後既存事業を着実にオーガニックに成長させていく中で、先ほどのPM Club社のようなM&Aが増えていくことを想定しています。一方で、シナジーが生じて利益に貢献するまでには一定の時間がかかるほか、のれんの償却費などの影響もあります。そのため、これらを総合的に考慮した結果、現状ではこの程度の計画が妥当であると考えています。
利益率についても「買収する企業の特性やシナジーが発揮されるまでの期間次第で、さらに高い水準を目指せる可能性は十分ある」と見ています。ただし、目先の利益率に過度にこだわりすぎることなく、M&Aを進めていく方針です。そのようなこだわりによって案件が絞られてしまうと、機会を逃すことにもつながります。
私は「人材紹介領域はこれから何十年に一度の変革期を迎える」と考えています。当社のように多くのデータを保有する会社が人材紹介会社と組むことで、数千億円規模の市場を大きく変革できると思います。
もちろん、今回の発表では営業利益率の低下を約20パーセント織り込んではいますが、将来的にはしっかりと利益率を向上させていけると考えています。その点についてはご期待いただけると幸いです。
質疑応答:他社との協業の可能性について
司会者:「オープンワークのデータを使って他社との協業を検討する可能性はありますか?」というご質問です。
大澤:優先順位としては、やはり当社のデータをしっかり活用し、特に人材紹介領域において新しい事業を進めていきたいと考えています。そのため、協業よりは資本業務提携やM&Aのほうが適していると思っています。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の営業収益の成長要因について
司会者:「2025年12月期第4四半期の『OpenWorkリクルーティング』の営業収益が、前年同期比41.2パーセントと非常に高い水準になっています。何か一過性の要因などがあってこの高水準になっているのでしょうか?」というご質問です。
大澤:こちらは少し複雑で、さまざまな要因があります。1つは、2024年12月期第4四半期が少し低調であったのに対して、2025年12月期第4四半期がしっかり伸びたことです。また、特定の企業で採用がしっかりと決まったというのも、要因の1つです。
これらいくつもの要因が絡まり、前年同期比プラス41.2パーセントという結果となりました。一過性というほどずば抜けて高い数値ではありませんが、40パーセントの成長を継続できるという想定はしていません。先ほどガイダンスで示したとおり、「OpenWorkリクルーティング」の2025年12月期対比の2026年12月期の成長は、30パーセント強を予想しています。
さまざまな要因が積み重なり、前年同期比41.2パーセント増加したと捉えていただければ幸いです。
質疑応答:株式売却について
司会者:「大株主の創業者の方が株式の売却を進めているようですが、会社としてご本人とコミュニケーションを取られていますか? 答えられる範囲でお答えいただけますと幸いです」というご質問です。
大澤:本件については、創業者の増井氏が独自に実行していることと思います。そのため、特にコミュニケーションを取っていないのが現状です。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」のARPUに対するPM Club社のM&Aの影響について
司会者:「PM Club社について、『OpenWorkリクルーティング』のARPUを劇的に向上させるための具体的な施策を教えてください」というご質問です。
大澤:まずARPUに影響するかという点についてですが、ARPUというよりはマッチング効率の向上が見込まれます。そのため「1顧客当たりの単価ではなく、決定人数が増えていく」とご理解いただければと思います。
質疑応答:業績に対するPM Club社のM&Aの影響について
司会者:「PM Club社の買収は、いつから業績に反映され始めるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:PM Club社自体の業績は、合併日である2026年4月1日から反映されます。ただし、同社はそもそも大きな収益を上げている会社ではありません。先ほどお伝えしたとおり「スキルベースドハイヤリング」を進めるための「スキルズインベントリー」に価値を見出してご一緒したと考えています。
そのため「2026年12月期に業績へ反映されることはほとんどない」と捉えていただければと思います。ただし、中長期的には、このスキルタグを活用したマッチングを、他社が模倣するのは非常に難しいと考えています。この部分を詳しくお伝えすることはヒントになってしまうため差し控えますが、ここが大きな競争優位性につながるのではないかと思います。
質疑応答:オーガニック成長とインオーガニック成長の優先順位および戦略について
司会者:「キャッシュが多い印象がありますが、今後、オーガニック成長以外でM&Aで成長させていく方針なのでしょうか?」というご質問です。
広瀬悠太郎氏(以下、広瀬):執行役員の広瀬です。オーガニックな成長は確実に進めていきます。こちらは間違いなくお約束できます。
同時に、先ほど大澤からもご説明したとおり、当社は十分なキャッシュ、大規模なユーザー基盤、そしてデータを保有しています。これらを最大限に有効活用し、M&Aで取得した企業にも役立てながら、シナジーを創出して非連続的な成長を目指していきます。
したがって、オーガニックとインオーガニックの両立を図り、ワーキングデータプラットフォームの成長速度や確度をさらに高めていく方針です。
大澤:補足となりますが、どちらも成長できるということで、ご期待いただければと思います。
質疑応答:成長施策の蓋然性について
司会者:「現在の売上成長率30パーセント前後の成長では、2030年の目標である営業収益150億円に届かない、不足していると感じています。開示可能であれば、具体的な成長施策の蓋然性についてお聞かせください」というご質問です。
大澤:おっしゃるとおり、現状の成長率では少し足りません。ただし、すでにリカーリングレベニューがスタートしており、1クライアントあたりのLTVが上昇しています。AIを活用したマッチング効率の拡大・向上も計画に織り込んでおり、スキルベースハイアリングをはじめとした差別化に取り組んでいます。
また、関西にも現在、拠点を広げています。昨年1年で大きく成長し、エリア拡大の手応えも得られました。加えて、まだ大きく織り込んではいませんが、M&Aによる非連続的な成長も含めれば、この目標は十分達成可能と考えています。開示できる情報は以上となります。
質疑応答:求人数の増減要因とマーケットデザインの方針について
司会者:「『OpenWorkリクルーティング』の掲載求人数が2025年12月期において、第2四半期の9万8,000件から第3四半期10万7,000件増加した後の第4四半期は9万9,000件と減少していますが、どのように理解したらよいでしょうか?」というご質問です。
大澤:毎回モニタリングしていただき、大変感謝しています。以前からお伝えしているとおり、「掲載求人数はそれほど大きく増えず、時には減少することもある」と考えています。
日本全体にある求人数は、実際には動いていない「死に求人」も含めて1,000万件を超える状況ですが、「OpenWork」の中でマッチング効率を向上させるには、求人数とユーザー数の増加が重要です。
ただし、マーケットデザインにおいて重要なのは需要と供給を厚くすることだけではなく、交通渋滞を解消していくことも大切です。
求人数に関しては、「OpenWork」を利用しているユーザーにはミドルからハイキャリアの層が多いため、それらのユーザーに関係のない求人を増やしても、交通渋滞を生むだけです。しっかりとターゲットに合った求人を集める方針で進めるためには、10数万件程度が限界だとお伝えしてきました。
また、求人数は増やそうと思えばいくらでも増やすことが可能ですが、重要なのは最新性と更新性です。
あまりにも古い求人をかさ増しのために残しておくのはまったく意味がありません。やはり、新しい求人や、企業が採用したいと思っている求人が更新されている状態であることが非常に重要です。
みなさまも、応募したのにまったく返信がない状況はつらいと感じるのではないでしょうか? そのため、できるだけ新鮮で価値のある求人を掲載する方針です。その結果として、今回のように四半期ごとに求人件数が減少することも今後一定程度見られるかもしれませんが、その点についてはあまり気にされる必要はないと思います。
質疑応答:「OpenWork」のPV数の推移に対する生成AIの影響について
司会者:「『OpenWork』自体のページビューの推移はどのようになっていますか? おおよそでかまいませんので教えてください」というご質問です。
大澤:質問の意図は「生成AIの影響を受けているかどうか」ということだと思います。非開示事項のため細かい数値はお伝えできませんが、結論としては、影響を受けています。
自然検索に関しては大きくは下がっていませんが、これまで伸びてきた状況から停滞、あるいは減少の傾向が見られます。自然検索は間違いなく、生成AIの影響を受けていると考えています。
一方で、ユニークユーザーとして「OpenWork」を利用されている方は増加しており、訪問数も着実に伸びています。検索数が伸びてくると、例えばアプリ上でログインを確実に行い、新しい機能を利用されている方など、自然検索経由ではないかたちで「OpenWork」に訪問しているユーザーが増えてきます。
生成AIの影響でPV数はもう少し減少する可能性がありますが、それに依存しないサービス設計やUI/UXの構築を進めていますので、ご安心いただければと思います。
質疑応答:PV数の増減に対する方針について
司会者:「訪問者数が同じであっても、「OpenWork」を利用する人は割合として増えていく、あるいは成長できるという認識でよいでしょうか?」というご質問です。
大澤:従来のPVについて言えば、「OpenWork」は自然検索によるものが多く、会社名を検索して閲覧した後に離脱するケースが見受けられます。
PV数が増加すること自体は価値がありますが、転職や就職は自身のキャリアを深く考えたいというニーズから生じるものです。そのため、PV数を増やすことよりも、こちらの深いニーズをしっかりと増やしていくことが重要だと考えています。
質疑応答:手元資金の活用方針とM&A戦略について
司会者:「今回、キャッシュフローを見てみると、30億円が定期預金されています。30億円も定期預金するほど現金の使い道がないのであれば、そのお金で配当を出すことを検討すべきではないでしょうか?」というご質問です。
広瀬:そのように見える部分もあるかと思いますが、目的についてお伝えします。結論として、使い道がないために預けているわけではなく、今後M&Aを次々と行っていく中で銀行とのリレーションをしっかり構築するために実施しているものです。
例えば、銀行から案件を紹介いただきM&Aを進める場合、デット調達などが必要になってくると判断しています。そのような場合に備えてリレーションをしっかり構築し、さらなる成長へつなげるための預金と受け取っていただければ幸いです。
なお、定期預金はそれほど流動性が低いわけではなく、柔軟に引き出すことが可能な預金であるため、事業運営については問題がないものと見ていただければと思います。
配当については、まずはM&Aをはじめとする成長投資に資金を振り向けていきたいと考えています。そちらの進捗を見ながら金額やアロケーションを検討し、今後対応を決めていきたいと考えています。
質疑応答:大規模な借入によるM&Aの可能性について
司会者:「今後さらなるM&Aを検討していく中で、今ある手元の現金を活用する場合もあれば、大規模な借入を行って進める案件もありうると思います。両方の選択肢を考えているのでしょうか? それともどちらか一方でしょうか?」というご質問です。
大澤:現時点での方針としては、案件との出会い次第だと考えています。案件を見極めながら、会社として数十億円規模の投資を検討する場合もあります。結論としては、両方の選択肢を考えています。
質疑応答:求人の掲載基準について
司会者:「掲示する職務内容に関する基準は設けていますか?」というご質問です。
大澤:質問の意図を十分に捉え切れているか不安もありますが、文面から内容を読み取り回答します。
職務内容に関しては、社会通念上問題のあるものについて厳正にチェックを行い、明らかに不適切な求人や問題のある求人は除外しています。また、ユーザーに関しても、反社会的勢力に該当しているかどうかを確認しています。
質疑応答:求人やクチコミの違反取り締まりについて
司会者:「求人やクチコミの違反取り締まりは目検で巡回されているのでしょうか?」というご質問です。
大澤:違反の取り締まりについては、さまざまな手段で適切に対応しています。例えばクチコミに関して、AIによる機械学習だけでなく目視でのチェックも行い、その目視チェックの品質管理のために毎年弁護士を招いてマニュアルやポリシーを修正しています。
また、ユーザーやクライアントが明らかに利用規約を逸脱していると認められる場合や、企業やユーザーからの違反報告を受けた場合には、厳正に対応しています。安全で健全なプラットフォームを運営するために、あらゆる方法を駆使しています。
質疑応答:クチコミの著作権について
司会者:「『OpenWork』に投稿されたクチコミに関して、貴社に権利はあるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:著作権法上の件に関しては、投稿いただいたユーザーのみなさまと当社で持ち分均等の共有財産としています。
質疑応答:クチコミのスクレイピングへの対策について
司会者:「昨今、生成AIでさまざまなソフトができたり、読み込ませて学習させたりすることができます。スクレイピングのリスクや生成AIなどに学習されるリスクはないのでしょうか?」というご質問です。
大澤:スクレイピングに関しては、どう捉えたらよいか難しいところがあります。利用規約では著作権の侵害を禁止していますが、サイト上では八角形のスコアなどが表示されており、ペイウォールで隠されていない部分については学習させることでLLMOに活用されています。
例えば、企業情報を調べるために生成AI関連ツールに照会する場合、ペイウォールされていない部分については「OpenWorkではこう記載されています」と表示されるかたちになっています。そして、そこから「OpenWork」に流れてくる場合もあります。
全データを読み込ませて使用することは、当然ながら著作権侵害にあたるため禁止しています。一方で、Web上で開示されている情報については、あえて読み取れる仕組みを設け、そこから「OpenWork」に流れるよう設計しています。
質疑応答:営業収益に対する広告宣伝費の比率の今後の推移について
司会者:「2026年12月期の営業費用の見通しに、営業収益対広告費は20パーセント程度と書かれています。その水準は2027年、2028年と今後どのように考えられているのでしょうか?」というご質問です。
大澤:先々のことなので難しいですが、20パーセント程度で見ています。ただし、優先順位によっては変動する可能性があります。現在、広告宣伝費は高騰しています。そのため、プロダクト側への開発投資に費用をかけたほうが価値があると判断した場合、減らす可能性もあります。
一方で、「OpenWork」はまだ認知度が十分ではないこともあり、収益への寄与が期待できると判断した際には、さらに広告宣伝費を増やすかもしれません。
いずれにしても、一定の営業利益率をしっかり維持するため、規律あるコントロールを行う考えです。
質疑応答:人件費の将来的な増加傾向について
司会者:「採用に関して、これからどのようにお考えでしょうか? 売上に比例して人件費が増える予定なのでしょうか?」というご質問です。
大澤:人件費は増加します。ただし、セールスマーケティング組織においては、AIを活用したワークフローの自動化が進みつつありますので、生産性はさらに向上する余地があると考えています。
一方で、クライアントのカスタマーサクセスにおいては、セールスパーソンやマーケティングパーソンがより多く必要です。そのため、一定の増加が続くと捉えていただいて問題ないと思います。
質疑応答:市況が悪化した場合の業績の耐性について
司会者:「市況が悪化した時の業績の耐性はありますか?」というご質問です。
大澤:耐性はあります。ただし人材業界のため、市況が悪化した場合間違いなくダメージを受けると思います。
人材業界は全体的に人手不足で、二極化が進んでいます。採用対象となる層はその中でも非常に限定的であり、奪い合いが続くため、たとえ市況がある程度悪化したとしても、昔のように大きく落ち込むことはないと考えています。ただし、間違いなくダメージは受けると思います。
さまざまな業界に幅広く提供している点が「OpenWork」の良いところです。また、収益の2割から3割は提携送客や会員課金から成り立っているだけでなく、リピート率が高く粗利率も高いオルタナティブデータの領域にも力を入れています。このように事業の多角化を進めているため、一定のダメージは受けるものの、耐性はあると考えています。
質疑応答:広告による認知度の向上について
司会者:「CMによる認知度向上について、数値的にどのようになっていますか? そのようなリサーチは実施されているのでしょうか? その結果はどのような内容であったか、概要を教えてください」というご質問です。
大澤:2025年12月期については、大阪などの関西エリアにおいて、実験的な取り組みも含めて実施し、かなりの成果を上げました。
当初は東京や関東エリアとの間に大きな差がありましたが、現在では関東エリアを超えるほどの認知度向上を1年間で達成しています。勝ちパターンを見つけられたことは非常に大きな成果だと考えています。
ただし、これをWeb履歴書登録につなげていくことや、費用のかかるマス広告が東京でも有効かどうかについては、まだ多くの検討課題が残っているのが現状です。昨年のマス広告を含む広告投資に関しては、認知度向上という観点では非常に良い成果が得られたと考えています。
質疑応答:関西・関東エリア以外での広告の展開について
司会者:「広告の範囲を例えば名古屋限定、福岡限定のようなかたちで広げていく予定はありますか?」というご質問です。
大澤:今のところ予定はありません。クライアント企業が増えた際に、そのエリアで展開する可能性はあります。東京、大阪に加え、名古屋のユーザー数も増えてきてはいるものの、広告投資をするほどの規模ではないイメージです。
ただし、もう少し認知度が広まりクライアント数が増えてきた場合、名古屋、福岡、仙台などの展開も検討する可能性があります。
質疑応答:重点戦略と今後の事業展開について
司会者:「さまざまな事業を行われている中で社長が最も期待している重点戦略を教えてください」というご質問です。
大澤:経営上最も重要だと感じているのは、オープンワークの可能性を投資家のみなさまにまだ十分に伝えきれていないことです。企業価値はさらに高いと考えているため、IRや投資家のみなさまとの対話を増やし、流動性を向上させることを含め、経営として取り組むべき課題が多々あると認識しています。
また、事業戦略については、こちらも経営に関連しますが、豊富なキャッシュを有効活用する必要があります。営業キャッシュフローを増やす取り組みを進めていかなければなりません。M&Aも進めていかなければならないと考えています。
数千億円規模の人材紹介市場とオープンワークのデータを組み合わせることで、大きな変革を起こせる可能性を感じています。これを早急に進めることで、業績にも大きなインパクトを与えられるのではないかと考えています。
質疑応答:オルタナティブデータサービス事業の市場規模と収益貢献について
司会者:「オルタナティブデータの使用はとてもおもしろそうに感じます。現状、売上や利益の比率はどの程度でしょうか? また、今後どの程度の上昇を見ていますか?」というご質問です。
大澤:オルタナティブデータに注目いただき、うれしく思います。オルタナティブデータは非常におもしろいです。私も現在、論文を執筆しているところですが、本当に興味深いです。
オルタナティブデータは非常に大きな市場です。ただしそれはグローバルでの、POSデータ、クレジットカードデータ、人流データの市場です。それに対して、日本の狭い市場の特にHR領域においては、市場規模は小さいのではないかと思います。
その結果、オープンワークの全体売上への収益貢献率も、ほとんど変わらない程度にとどまるのではないかと考えています。場合によっては、「OpenWorkリクルーティング」やM&Aした事業領域などのほうが成長する可能性があり、オルタナティブデータの比率は下がる可能性もあると考えています。
ただし、この事業は非常に粗利率が高く、なによりもグローバル規模で著名なクオンツファンドやヘッジファンドが当社のデータを採用していること、日本の大手企業や最近では広島銀行が当社のデータを統合報告書で活用し公開していることなど、品質の高さが証明されています。このように、市場規模や売上の成長を超えて価値のある事業だと考えています。
投資家のみなさまにとっては、「そんなことはどうでもいいから、早く伸ばせ」というのがポイントであると思います。そのため、この事業の成長を着実に進めるとともに、オープンワークのデータの価値を証明し、他の事業の成長率を引き上げられるよう努めていきます。ご期待いただけることを本当にうれしく思います。
質疑応答:「OpenWorkリクルーティング」の成長見込みと採用市場の展望について
司会者:「『OpenWorkリクルーティング』が今しっかり伸びていますが、年率何パーセントでこれからも伸びていくイメージでしょうか? また、頭打ちになる売上の具体的な規模はあるのでしょうか? しばらくは今のペースで伸び続けるというイメージをお持ちなのでしょうか?」というご質問です。
大澤:しばらく成長が続くイメージです。詳細については開示していませんが、2030年の営業収益目標である150億円の大半が「OpenWorkリクルーティング」に起因するため、逆算すると年率何パーセント程度成長する見込みかを算出いただけると思います。
採用市場は、ダイレクトリクルーティングや人材紹介を含めると5,000億円から6,000億円規模である中、当社が占めるのはその中のわずか1パーセント程度です。そのため、まだ成長の余地があると考えています。
具体的な内容について述べるのは難しいですが、どのような企業とM&Aを行うかといった点も関係してくるでしょう。1つの例として、ビズリーチが挙げられます。その売上高は当社よりもはるかに大きい金額ですが、単純にユーザー数で比較すると当社は約2倍の数を保有しています。大きな伸びしろがあると思っています。
質疑応答:有料会員および企業の解約率および解約への対応について
司会者:「有料会員と企業の解約率は高いでしょうか? 低いでしょうか?」というご質問です。
大澤:有料会員については月額1,800円が必要であり、自分の転職活動や就職活動が完了した後に解約される方が多いです。そのため、平均的な転職・就職期間を考えると、数ヶ月で解約されることが一般的です。したがって解約率は高いですが、このモデルを導入してから約10年が経過しており、特段問題視していません。
冒頭でお伝えしたように、フローを重視するよりも「OpenWork」の中にデータを蓄積していくことが重要です。有料会員が解約した後であっても、履歴書を登録していただいたり、クチコミを提供していただいたりする方が増えると、とてもよい方向に進むと考えています。
企業の解約率については、昨年1月から有料プランを始めたばかりのため、今後が勝負だと思っています。ただし、採用には波があり、企業の場合は無料会員のままでも求人を掲載できます。そこから採用が決まれば当社に成果報酬を支払うプランも用意しています。
そのため、解約率が一定数出ることは想定していますが、使い続けていただけるような仕組みが重要だと考えています。例えば、「現時点では積極的な採用意欲がないけれど、一応求人を載せておきたい」といった時期にも対応できるようにし、ふたたび採用活動に本格的に取り組む時期には、導入費やスカウト費用を増やして利用していただけることを目指しています。
企業ごとの多様なニーズに対応した顧客基盤を作ることが重要です。少し視点を変えた回答になりましたが、以上です。
質疑応答:チャット形式でのマッチングについて
司会者:「AIを活用されるなら、『ChatGPT』のようにチャット感覚でなりたい自分のキャリアや要望を相談し、合いそうな企業とマッチングできるとうれしいと思いましたが、いかがでしょうか?」というご質問です。
大澤:言いたいことはたくさんありますが、言うと怒られますので、「ご要望ありがとうございます」と回答します。プロダクトを開発中です。楽しみにしていただければ幸いです。
質疑応答:TOBへの対策について
司会者:「乗っ取り、買収対策はしていますか?」というご質問です。
広瀬:筆頭株主や親会社をはじめ、安定株主が多いです。現在、このことが一番の対策であると考えています。また、なによりの対策は、当社の株価をしっかり上げていくことだと考えています。ぜひ応援いただければと思います。
質疑応答:シェア拡大の可能性と市場戦略について
司会者:「『マイナビ』『リクナビ』『doda』が持っているような大きな市場を獲得できそうですか?」というご質問です。
大澤:3サービスとも非常に尊敬すべきプロダクトサービスですので、一緒に市場を盛り上げていければと思います。1つ申し上げると、おこがましいですが、獲得できると考えています。
「マイナビ」「リクナビ」は求人の掲載に強みがあります。一方で、メディア系は現在少し厳しくなってきており、ダイレクトリクルーティング、アグリゲーション型メディア、人材紹介系への注力が必要だと考えています。
ダイレクトリクルーティングの「OpenWorkリクルーティング」は、成長余地があると思います。また、人材紹介という大きな市場においては、「OpenWork」に大きな獲得チャンスがあると捉えています。
M&Aも含め、当社のデータを最大限活用できるようなパートナー企業を探していきたいと考えています。
質疑応答:既存ユーザーの転職利用率の向上について
司会者:「成長の鍵となるのは登録者数の増加、Web履歴書の増加、既存ユーザーの転職利用率向上のどちらにあるでしょうか? もちろんすべて重要だと思いますが、特に重要視している点と、現状最も伸びている指標を教えてください」というご質問です。
大澤:その中では、Web履歴書の増加と既存ユーザーの転職利用率の向上の2つを重視しています。もしどちらかに重点を置くとすれば、既存ユーザーの転職利用率の向上を優先します。
質問の3点のどれもが伸びている一方、「OpenWork」ではクチコミの確認のために利用するユーザーが多いです。したがって、そこから「OpenWork」での転職につなげること、そしてそのメリットの大きさを示すことが非常に重要です。この点を特に重視しており、すでにさまざまな施策を行ってきた結果、伸びている指標でもあります。
質疑応答:AIエージェントとの差別化および人材業界における競争優位性について
司会者:「SaaS is Deadの影響なのか、御社も含め人材紹介大手のビジョナル、ジェイエイシーリクルートメントなど軒並み株が売られ続けています。AIが急発展していく中で今後も成長していくビジョンを、もう少し具体的にお聞かせください。
AIが発展していくと既存のビジネスが淘汰されてしまいシュリンクしていく流れが来てしまうのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
大澤:株価については、当社のみならず、上場している人材業界全体で共通の課題だと思います。
当社では「今後は二極化が進む」と考えています。選ばれ続ける企業と、「AIを使えば、そのサービスなんか使わなくても、自分で転職先を探せるよね」と見なされてしまう企業とで大きな差が生じてくるだろうと思います。「その企業にしか出せない価値をどのように生み出していくか」が鍵になると考えています。
本日何度もお話ししていますが、「OpenWork」だからこそ提供できる価値の1つは、当社に投稿されている自然言語データに関連しています。先ほど著作権に関するご質問がありましたが、ほとんどの部分は生成AIに学習させないようにしています。そのため、「OpenWork」を通じて初めて得られる情報があります。
例えば「自分にはどのようなキャリアの機会があるのか」「自分がその企業に応募した場合どの程度マッチしているか」「数年後にどのくらいの年収になる可能性があるか」についての、生成AIだけでは判断できない具体的な情報が「OpenWork」を通じて得られるのです。このような情報を提供するAIプロダクトも現在開発中です。
このような独自の価値を提供できる会社は、選ばれ続けると思います。逆に言えば、そのような会社にユーザーが集まり、データがさらに増え、AIプロダクトがより活用されるようになります。「独自価値を提供できる会社は勝ち残っていく」と考えています。
一方で、独自の価値を提供できない事例として、「生成AIに聞いても同じだよね」「むしろそっちの方が楽だよね」と感じてしまうサービスがあります。例えば、「ダイエットアプリ内で画像処理機能を提供しているけれど、生成AIのほうがいいアドバイスをくれる」といった場合があります。これは学習させているデータ量の違いに起因していると考えられます。
このように、自社独自のデータを保有していなかったり、オリジナルデータが継続的に集積されていく仕組みを構築できていなかったりする場合は、差別化ができず、かなり厳しい状況になると思います。どこの会社とは具体的に言いませんが、そのような企業は厳しい状況に追い込まれる可能性が高いと考えています。
そのため、当社は現在、非常に追い風の中、恵まれたポジションにいると考えています。
質疑応答:リンクアンドモチベーションとの関係について
司会者:「リンクアンドモチベーションから、事業に関して意見など言われることはあるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:ほとんどありませんが、リンクアンドモチベーションはHRや組織、人事に関する領域で非常に知見の深い企業です。また、アカデミックな機関とも連携しています。そのため、アカデミックな機関をご紹介いただいたり、共同研究についてアドバイスをいただいたり、つなげていただいたりするケースは非常に多いです。
質疑応答:APIによる需要増加およびスーパーアプリの可能性について
司会者:「今後検索の打ち方が劇的に変化し、今までのように複数のアプリを使う状況から、1つあるいは少数の統合AIアプリ的なものに変わった場合の、御社のリスクとチャンスについてお考えをお聞かせください。
個人的な意見で恐縮ですが、御社の所持しているデータの価値を考慮すると、信頼できるサイトとしてAPIなどでむしろ需要が増加する可能性がある反面、プラットフォームの価値が毀損され利益率は低下してしまうのではと思いました」というご質問です。
大澤:大変良い質問です。ぜひディスカッションさせてください。
APIなどを活用した需要の増加はすでに起きています。あまり競合になり過ぎない部分においては、データの連携が可能なところからスタートしています。この分野は一定の利益率も高く、オープンワークの認知を広げる意味でも良い取り組みだと思います。
いわゆるスーパーアプリのように、あれもこれも1つのアプリで完結できる状況になる可能性はおそらく低いだろうと考えています。例えば買い物、エンターテインメント、占い、天気や、お金を引き出したり送金したりといった日常生活の一連の流れの中で使うものであれば、スーパーアプリとして価値があると思います。
しかし、ユーザーが求めていない機能が同じプラットフォーム内に含まれている場合、それらはあまり使われないケースが多いようです。例えば、あるフリマアプリはスポットワークのアプリを同じプラットフォーム上で展開しています。私は「おそらくうまくいかないだろう」と思い、「NewsPicks」等でそのように話していました。
求めているニーズが大きく異なるものが共存するのは、ユーザーにとってUXが非常に悪いと思います。なぜなら、例えば買い物をしたいのに急に求人情報や「バイトしませんか?」というメッセージが表示されると、私は嫌だと感じるからです。
一方で頭の良い人たちの中には「物を売ってお金を得ること」と「自分の時間を売ってお金を得ること」が本質的に同じであるため、このアプリは成功すると主張する人も多くいました。しかし、私にはその意見がしっくりきませんでした。「買い物」と「働く」はまったく異なるのではないかと感じています。
もしもの話ですが、キャリアや仕事といった要素を収入やローンなどとともに金銭的な軸で一括管理し、それに基づいて「こういう人生設計にするべきだ、こういうキャリアを歩むべきだ」とアドバイスするようなAIアプリが登場した場合、そこに自分たちが奪われる、あるいは奪われそうになる可能性があると考えています。
その際には、そのAIアプリと連携することを検討しなければならないと思います。しかし、まったく異なる領域については、それほど影響を受けることはないと考えています。
これから注視していかなければならない点だと思いますが、私はユーザー至上主義を大切にしているため、ユーザーの行動などを見ているかぎり、そうなっていくのではないかと考えています。
質疑応答:大澤氏の株式保有比率について
司会者:「大澤社長への新株予約権などの株式付与は検討されていないのでしょうか?」というご質問です。
大澤:ありがたいことに、ストックオプションやRSを付与していただいています。有価証券報告書などで開示されていますが、もしかすると「それを超えて借金をしてコミットして買え」というメッセージかもしれません。
もちろん、一定地金で購入している部分もあります。ただ、私はもともと普通のサラリーマンだったため、なかなか難しい点もあります。しかし、オープンワークは今後も伸びると思っていますので、しっかりとコミットしていきたいと考えています。
また、オープンワークには私だけではなく、非常に優秀な経営陣、幹部陣がいます。しっかりと経営にコミットしてもらえるように、報酬設計を整えていきたいと考えています。
質疑応答:JPXスタートアップ急成長100指数の構成銘柄への選定について
司会者:「JPXスタートアップ急成長100指数の構成銘柄に選定されましたが、何か恩恵はありましたか?」というご質問です。
大澤:若干意地悪な質問な気もしますが、うれしいことではあります。
影響はありませんでしたが、賛否はあり、SNSでも取り上げていただき、注目していただけることは非常にありがたいことです。恩恵はこれからあるのではないかと思います。実力で勝ち取っていこうと思っています。
質疑応答:クチコミ投稿の動機について
司会者:「初めてのため初歩的な質問で申し訳ありません。クチコミを書いてもらうきっかけとしては、他のクチコミを無料で見たい人が書き込む以外に何かあるのでしょうか?」というご質問です。
大澤:初めて当社をご覧いただき、本当にありがとうございます。大変うれしく思います。よくいただくものではありますが、非常に鋭いご質問で、おっしゃるとおり、現在は「クチコミを無料で見たい」以外の動機はありません。
若干数存在する意見として、「『OpenWork』のクチコミが非常に役に立ったから、自分も恩返しがしたい」というポジティブなものがあります。一方で、「この会社の実態を知ってほしい」というネガティブな意見も見受けられます。特に後者の「自身が苦しい思いをした経験を発信し他人の役に立ちたい」という投稿は一定数見られます。
今後は、「ユーザーが自身のデータを預ければ預けるほど、よりプラスなキャリア提案が得られる」あるいは「クチコミを投稿することでカルチャータグのようなものが生成され、それにより自分に合う会社とマッチングしやすくなる」といった仕組みに変えていきたいと考えています。
質疑応答:クチコミの信頼性向上のための施策について
司会者:「クチコミの信頼性はどのように担保されているのでしょうか?」というご質問です。
大澤:クチコミの信頼性についてはこだわっており、「社員クチコミ白書」の発行も行っています。信頼性向上のための施策として、大きく2つのアプローチを実施しています。
1つは、品質管理です。投稿されたクチコミの中から、ステルスマーケティングの疑いがあるものや、信頼性に欠ける内容をAIやトレーニングされたスタッフによる目視チェックで管理しています。
ただし、どこまで行ってもクチコミの信頼性を完全に保証するのは難しいです。そのため、2つ目のアプローチとして、第三者機関と連携し研究を進めています。その中で、「OpenWork」のクチコミが企業の業績や株価と相関があることを確認し、インパクトファクターの高い海外学会などで発表を行う取り組みも進めています。
査読付きの論文を通じて、第三者から「OpenWork」のクチコミは品質が高いと評価してもらえるような担保の仕方を採用しています。
大澤氏からのご挨拶
大澤:長時間にわたり、たくさんのご質問をいただきありがとうございました。毎回同じメッセージになってしまいますが、今日の話を聞いて少しでもオープンワークに興味を持ち、「良さそうだな」と思っていただけた方には、一度「OpenWork」をお試しいただけるとうれしく思います。
「OpenWork」を使うと、「すごい。ここまでデータが得られるんだ」「これは必要なサービスだね」と感じていただける自信があります。そのように思っていただけましたら、ぜひ応援していただけると幸いです。本日は最後までご視聴いただき、ありがとうございました。
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