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明日の株式相場に向けて=「サナエ2.0」開幕はDC関連に資金集中

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2026/02/10 17:30
 きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1286円高の5万7650円と大幅高で最高値街道をまい進。祝日前でも買い気が全く衰えない。買い主体は海外だが、おそらく欧州系の足の長い資金と米国系ヘッジファンドの買いなどが入り乱れて、十把一絡げに東京市場に流れ込んでいると思われる。最近の株高で時価総額が膨張しているため、売買代金も自然と膨らむのは道理だが、それでも今週に入ってから2営業日合計で売買代金が20兆円に達したことには驚かされる。サナエノミクス効果、恐るべしというところだ。

 そうしたなか、個別ではデータセンター関連株への物色人気が再燃している。最近になって、米国のソフトウェア関連株の波乱安に遭遇したが、これは「データセンター」という株式市場で不動とされていた成長テーマとしての位置付けにも暗雲を漂わせる。AI半導体はAIサーバーに搭載され、AIサーバーはAIデータセンターに格納される。そして、これらのインフラを使ってクラウドを経由し生成AIサービスをユーザーに提供するのが、今回米株市場で売り攻勢を浴びたソフトウェア関連株ということになる。ソフトウェア関連株が売られたのは、周知の通り、新興AIの米アンソロピックがハイスペックなAIエージェント機能を付加した自動化ツールを開発し、お披露目したことが背景にある。これによって業務効率化ソフトを凌駕し、法務やデータ分析サービスなどをクラウドで提供する企業の仕事を奪うというシナリオがにわかにクローズアップされた。こうなると、サバイバルゲームで付加価値の低いクラウドサービスを行っている企業は早晩淘汰されてしまう。

 そして、ハイパースケーラーはともかく、クラウドサービスを展開する企業の数が激減すると、現在先を競ってデータセンターの新設・増設に躍起となっている行為がやはり過剰な投資ではないかという疑念として、またぶり返すことになる。AIモデルの進化は、エッジAIで代替されてしまうクラウドサービスを行う企業群を根絶やしにしてしまうわけで、そのインフラの源流であるデータセンターも顧客がいなくなれば、一部は無用の長物と化す可能性が意識されて当然だ。ディープシーク・ショックの時と同様、AIバブル崩壊懸念が再び立ち上がってくるような気配が投資家の不安心理を煽った。

 しかし、その見方はペシミスト的で早くも覆された印象がある。AIエージェントがハイスペックになればなるほど、それを提供するAIモデルには膨大な計算資源、つまりAIデータセンター(AIサーバー)が必要になるため、データセンターへのニーズはむしろ高まるという論理に蓋然性が残されていたからだ。結果、ショート戦略の巻き戻しで、データセンター周辺株に吹き付ける風が早くも反転した。

 その風向きの変化を裏付けたのが、26年3月期の業績予想の上方修正を発表した古河電気工業<5801.T>だった。同社株は前日の3000円高(ストップ高)に続き、きょうは4000円高のストップ高カイ気配に張り付いた。時価総額1兆数千億円規模の銘柄を、ここまで買い上がる妥当性は本来見当たらないが、モメンタム相場ならではのパフォーマンスである。市場では「海外マネーが本腰を入れて実需買いで(現物株を)吸い上げれば不思議のない展開」(中堅証券ストラテジスト)という。データセンター周辺企業は光ファイバー御三家(電線御三家)が旗艦銘柄となっており、ここを起点に周辺株にも虎視眈々と投資マネーの視線が注がれることになる。

 データセンター関連への設備投資で収益恩恵を獲得するのは、光ファイバーをはじめとする光部品や各種関連デバイスを製造する企業のほか、中枢を担うAI半導体とその周辺技術に絡む企業、更に実装部隊である電気工事や空調工事を行う企業などに分かれる。ノイズに振り回されないように、可能であればなるべく決算発表の通過を待ってから投資する方がよい。もっとも、そのノイズをそのまま投資のネタとするいわゆる決算プレーの方がこの時期は主流のため一概に善悪はいえないが、基本は避けるべきだ。足もとで決算発表が絡まない2月決算企業では、オキサイド<6521.T>がある。同社はAIデータセンターの高速通信で必要な光単結晶や光部品の開発・製造を手掛けている。また、変電設備の増設需要を担う東京エネシス<1945.T>や空調システムを手掛けるテクノ菱和<1965.T>は決算発表通過組だが、関連銘柄として妙味を内包。このほか、システム開発を手掛ける電算<3640.T>は決算発表後にマドを開けて値を飛ばしたが、目先の押し目は買い下がるチャンスとみたい。穴株ではM&AでGPUサーバー事業を買収し、AIデータセンター関連重要を取り込む橋頭堡として商機をうかがうトリプルアイズ<5026.T>が動兆しきりだ。

 あすのスケジュールでは、東京市場は建国記念の日の祝日に伴い休場となる。海外では1月の中国消費者物価指数(CPI)、1月の中国生産者物価指数(PPI)などが注目され、米国では1月の雇用統計にマーケットの関心が高い。このほか、1月の米財政収支の発表、米10年物国債の入札も行われる。なお、この日はボウマンFRB副議長がデスカッションに参加予定で、その発言内容に耳目が集まる。海外主要企業の決算発表では、マクドナルド<MCD>(10~12月期決算)、シスコ・システムズ<CSCO>(11~1月期決算)などに投資家の注目度が高い。(銀)

出所:MINKABU PRESS
配信元: みんかぶ

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